邦秋の、ギャラリー「個と場」

宮崎在住のランチタイムミュージシャン、邦秋(くにあき)の頭の中。アイデア備忘録・雑感・お役立ち情報から創作活動(音楽・歌詞・散文詩等)の展示・解説まで幅広く。関心事:DTM・音楽・ロゴ・デザイン・教育・APPLE・効率化他

普通の星

いつだって僕等は
当たり前の呼吸を
思い切りしてきた

限りないものなど
ある筈もないのに
知らないふりをして

全ての物は借り物だから
どれも無くさぬよう
ずっと僕等は破壊したがるけど
それでも儚いほどに無力だ

誰も知らない明日を生きていく
次の僕等の居場所にも
特別な力が宿る普通の星を残して

なぜだろう僕等は
僕等という境を
守り続けてきた

何の理由もなく
自分以外の色を
否定し続けてきた

生きていくため生きている人
それを見失って我が為だけに生きている人
全て均して

誰も知らない明日を生きていく
次の僕等の住処はどこだって
居心地の良い世界でありますように

地球では抱えきれないほどに膨らんだ
キキュウがついに宇宙にもガラクタを飛ばした
望まれて産まれて 行き場を無くしている
輪を描けないなら 一度止まって

誰も知らない明日を生きていく
次の僕等の居場所にも
特別な力が宿る普通の星を残して

 

f:id:t92dam:20200114140415j:plain

(写真:おとっちゃんさんによる写真ACからの写真

20200114 JAPANESE MENU

「Corkscrew」という鋭さにゾクゾクし、

「THE ROSE GOD GAVE ME」という神々しさにゾワゾワし、

「官能ブギー」という妖しさにザワザワし、

「Headache and Dub Reel Inch」という難解さにハラハラし、

「Lesson 2」という「らしさ」にワクワクし、

「SOLOIST」という潔さにドキドキし、

 

「JAPANESE MENU」というセンスにただひれ伏す

 

これらに限らず、いつも発売前のタイトルを見るだけで、想像力を掻き立てられ、鳥肌が立つ。

 

 

…何年経っても言葉の選び方一つ一つ才能を感じます。

 

清春さん、永遠のカリスマです。

 

 

 

20200110 結局、発達障害の大人は生きづらい世の中なんだ

2020年1月7日(火)に放映されたEテレの「ハートネットTV」。

番組の内容は、以下のとおりです。

障害のある人やその家族などが体験をつづる「NHK障害福祉賞」。今回は優秀賞を受賞した石川洋子さん(34)の作品「うさぎと一緒に」を紹介する。

明るく好奇心旺盛な幼稚園児の娘だが、時にかんしゃくを起こし暴言を吐いてしまう…。このままでは誰にも理解されなくなってしまう、と焦り、きつく叱っては後悔する母。

発達障害があると診断された娘とどう向き合うか悩み苦しんだ末に、新たな道を歩み始めた親子の体験記を紹介。

f:id:t92dam:20200110141557j:plain

NHKウェブサイトより)

この番組の存在を事前に知っていたわけではなく、たまたま放映されていただけだったのですが、一児の父として何となく視聴。

発達障害を持つ方が増加傾向にあるという話は聞いたことがありますが、どのような人でもそれぞれを「個性」として捉えられ、一人一人がストレスなく生きることが出来る社会が望ましいと思っています。

その点で、今回の幼稚園児の出演を通じて発達障害(の一例)がどういったものかを視聴者に示してくれたことはとても意義深いと思いますし、番組で紹介された幼稚園や病院の対応は、上述したような理想の社会の実現を感じさせる素晴らしい事例でした。

発達障害に対する理解が全国に広がりますように…」
制作スタッフ、そしてプライバシーを晒して出演を決断された石川家の方々は、きっとそういった想いでこの番組に携わったはずです。

Twitter上での反応を見てみますと、次のような感想が見受けられます。

 

一方、こうした声も発見しました。

このツイートに対して、賛同の声が次々と連なっていったのですが、その話の行先がどうしても腑に落ちなかったので、ここで紹介します。

f:id:t92dam:20200110135307p:plain

 

f:id:t92dam:20200110135242p:plain

f:id:t92dam:20200110135246p:plain

f:id:t92dam:20200110135249p:plain

f:id:t92dam:20200110135252p:plain

f:id:t92dam:20200110135255p:plain

 

紹介したツイートを簡単にまとめると…

  • ヘラヘラしていた父親にむかついた
  • その父親もアスペルガーに違いない
  • 母は離婚も視野に入れた方がいい
  • 楽家はズレズレ人間が多い

という内容です。

 

この番組を見て「発達障害を抱えた子供が将来不自由なく生きられる社会になってほしい」と心から思った人なら、「昔は発達障害への理解や診断する文化がなかった。現代の大人の中にも、発達障害を抱えた人が一定数潜在していてもおかしくない。彼ら自身も、彼らの周りの人も苦労しているだろう。そういった方々をも支えられる社会にならなければ」という視点に立てるのではないでしょうか。

しかし、ここで当該父親に否定的な意見を並べた方々は、そもそも医師でもないのに発達障害であると勝手な判断をし、それを前提としつつもその父親の考え方・振る舞い方には理解を示さず、お節介なことに母親に対して離婚の提案までして、挙句の果ては「音楽家」に対して職業差別とも思われる発言をする始末。

子供だから支えてあげて、大人は見捨てるのか。
子供だから許して、大人は認めないのか(結婚すら)。

この番組の視聴後、とても前向きな気持ちになったのに、これらの感想がこの社会の本音があぶり出してしまい、どん底に突き落とされた気分です。

20200106 小室哲哉さんが生む「パワーフレーズ」

しばらく前の話ですが、お笑い番組で興味深いシーンがありました。

その番組は、「さんまのお笑い向上委員会」。
お笑いコンビ「トム・ブラウン」の布川ひろきさんにTRFのSAMさんのモノマネをさせるべく、スタジオ全員でTRFを歌おうという流れに。
そのとき、全員が「♪寒い〜夜だから〜 ラララララ〜ラララララ〜」と歌ったのです。
確かに私も、「寒い夜だから」に続く歌詞が思い出せません。それでも、「寒い夜だから」は覚えているのです。

私は、常々「メロディに沿った歌詞」の大切さを認識しており、私が作詞をする際も強く意識をしています。
その点で、この歌はサビの歌い出しのメロディに対して「寒い夜だから」という「乗り方」が抜群なのです。このようなフレーズを「パワーフレーズ」と呼びたいと思います。

振り返ると、小室哲哉さんはパワーフレーズの創造に長けていらっしゃるのかもしれません。

TRFだけを見ても、ヒット曲の、

・寒い夜だから…
・Masquerade
・BOY MEETS GIRL
EZ DO DANCE
CRAZY GONNA CRAZY 等、

タイトルを見るだけで、その言葉に沿うメロディが浮かびませんか?

オリコンシングル売上ランキングにおいては、「OVERNIGHT SENSATION 〜時代はあなたに委ねてる〜」よりも下位にあたる「寒い夜だから…」。
それでも、布川ひろきさんのモノマネ時の選曲として「OVERNIGHT〜」ではなく「寒い夜だから…」が選ばれたのは、サビの歌い始めやすさ(ただの歌いやすさではなく、歌い始めやすさ)が決め手だったものと思います。

ちなみに、「OVERNIGHT SENSATION 〜時代はあなたに委ねてる〜」のサビの始まりは、"Anyway you want"と歌っているのを、今初めて知りました…。そのくらいの差です。

ところで、先ほど挙げた5曲のうち上から3曲(寒い夜だから…、Masquerade、BOY MEETS GIRL)は、歌い出しからパワーフレーズが登場します。これは、小室哲哉氏が選んだ「売れるための戦略」なのでしょう。

 

 

TRF以外にも、小室哲哉さんはタイトルを読むだけでメロディが浮かぶパワーフレーズを数多く生み出しています。
例えば以下の曲名。ただ読み上げるのではなく、ついつい口ずさんでしまいそうです。

CAN YOU CELEBRATE?
Body Feels EXIT
a walk in the park
安室奈美恵

恋しさと せつなさと 心強さと
篠原涼子 with t.komuro)

I’m proud
華原朋美

 

本来、本稿は「ナンダカンダ」(藤井隆)や「It's My Life」(Bon Jovi)、「パプリカ」(Foorin)など様々なパワーフレーズを探そうと思っていたのですが、書き進める内に小室哲哉さんのパワーフレーズセンスに気づき、彼の楽曲を中心に取り上げる運びとなりました。

 

印象に残る曲や、いわゆる「売れる曲」を目指したいときに、私自身も参考にしていきたいと思います。

20200105 テレビCM

明けましておめでとうございます。今年もギャラリー「個と場」をよろしくお願いします。

 

さて、新年が明けると急増するローカル企業のテレビCM。

率直に申し上げて、それらを見てもCMがなされた企業に対してポジティブな印象をもった試しがありません。

 

CM(広告全般)の制作を行う上で、必要だと思われる視点は次のとおりです。

  • 何のためにそのCMを打つのか(目的)
  • どのような人に見てほしいのか(標的)
  • 標的に対する目的達成のためにどのうな構成にするのか

 

もちろん、CMを作る上で考えなければならないことは上記以外にも数多あるのは当然で、本稿ではかなり削ぎ落としてこれら3点に絞ってみましたが、恐らく私が見たローカルCMの山は、どれ一つとしてこの3点への考慮が伝わらなかったことが、ポジティブな印象を持つに至らなかった原因だと考えています。

 

ふと、思い出したのですが、先日、職場のパソコンのデータ整理をしていたところ、前任者が制作会社から受領したと思われる勤務先のテレビCMの絵コンテ案が発掘されました。

それは、地元の風景を3カットほど並べて最後に会社のシンボルマークを映す、という至ってシンプルなもの。

このCMは実現しなかったはずですが、それで良かったと思っています。

 

年始のCMも、その絵コンテで提案されたCMも、それらを発信することで、どんな人にどんな気持ちになってほしいのかという思考が浅いままでは、依頼主のお金も、テレビ局側の広告枠も、そして辛辣かもしれませんが視聴者の時間もただの浪費に終わると思うのです。

 

15秒という枠にかける思い。

その熱意とセンスを感じる「作品」を楽しみにしたいと思っています。

20191231 2019年を振り返って


 

2019年の初め、「誰かの役に立てる一年でありたい」という年頭所感を残しました。

自分自身で為せたこと、自分が生きてきた中で出会ってきた人と人を結びつけることで為せたこと、様々な実績を残せたという自負もありつつ、もっと優しくなれた瞬間や、もっと柔軟にできた出来事もあったはずだという後悔もつきません。

生まれ出た意味を感じるためにも、2020年は今年以上に人々のためにできることに努めていきたいと思っています。

 

バンド停止中も、ライフワークとして細々と継続している音楽制作活動については、来年はただの配信だけではなく、ワンアクション起こせそうな話が持ち上がっています。

7月。

実現すれば面白いものに仕上がるはずです。また動きがあればこちらにて発信していきたいと思います。

最後に、今年制作した楽曲の歌詞を振り返らせていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

2019年もギャラリー「個と場」にお立ち寄りくださり、誠にありがとうございました。

2020年も、好き勝手なことを述べる場になる見込みですが、よろしければたまには覗いてみてください。

 

2019年12月31日

邦秋

 

f:id:t92dam:20191230233509j:image

写真: RASNICHECK、メイソウパレット、オルスバンド、7030ナオミオ合同忘年会より

20191228 コブクロの桜の歌詞が素直によくわからない件

先日、コブクロ「桜」を歌わせていただく機会がありました。

普段全く聴かないこのデュオの歌詞が、何故かあまりに頭に入って来ずに苦戦。

そこで、歌詞を読み込もうと思ったのですが、読めば読むほどその解釈が迷宮入りしてしまったので、今回のブログではその歌詞を追いながら私の心の声を記してみたいと思います。

かなり性格の悪い(ように見える)記事なので、コブクロファンの方は絶対に以下をお読みにならないようご留意願います。

 

矢印に続くのが、私の心の声です。

名もない花には名前を付けましょう この世に一つしかない
冬の寒さに打ちひしがれないように
誰かの声でまた起き上がれるように

→他ブログでの解釈なども参考にする限り、恋心、つまり、好きという「思い」を花で例えているんだろう。

そして、「また起き上がれるように」と願っている点から、一度の恋愛につき一輪の花(=思い)ではなく、一人一人が一輪の花を持っているというカウントであろう。

了解。

 

土の中で眠る命のかたまり アスファルト押しのけて

→ん。土に咲く花と、アスファルトの隙間から生えている花、どちらのことを言いたいんだろう…?

 

会うたびにいつも 会えない時の寂しさ
分けあう二人 太陽と月のようで

→花の喩えが続いていたのに急にリアルな恋愛モード来た!

それにしても、どの点が太陽と月のようなんだろう? 二人が早朝と夕方にしか顔を合わせられないとか…? もしくは、単に「二人」の性格が、自ら光る人と、照らされて輝く人だったとか…?

 

実のならない花も 蕾のまま散る花も

あなたと誰かのこれからを 春の風を浴びて見てる

→急に二人称「あなた」来た!

これは歌の主人公から見た「君」ではなく、この歌の聴き手という意味での「あなた」なのではないだろうか。(理由は後述)

ただ、花=「思い」だとして、実のならない花や蕾のまま散る花=「成就しなかった好意」が、「あなたと誰かのこれからを見てる」って少し怖くない? ストーカー的…。

 

桜の花びら散るたびに 届かぬ思いがまた一つ

→冒頭の「名もない花」に始まる「 花」と、ここで散った桜は別…?

しかも、「思い」を花で例えていたのに、直接「届かぬ思い」って言ってしまった…!

 

涙と笑顔に消されてく そしてまた大人になった

→失恋したことも、様々な人生経験の中で成長の糧として消化されるということかな。ここは納得。

 

追いかけるだけの悲しみは 強く清らかな悲しみは

いつまでも変わることの無い 無くさないで 君の中に 咲く Love…

→ん。届かぬ思いは消されていくのに、悲しみは変わらないってことは、結局消化できないの…?

 

街の中見かけた君は寂しげに 人ごみに紛れてた

あの頃の 澄んだ瞳の奥の輝き 時の速さに汚れてしまわぬように

→一番の「あなた」とは別の二人称、「君」来た!
恐らく、二番になって舞台が変わったんだろう。
「君」の状況が具体的に記されているので、歌の主人公にとっての「君」を描いているはず。
だから、一番の「あなた」と使い分けているんだ。
主人公が昔から知る「君」は、田舎から上京したけど馴染めずに苦しんでいるのかな。

 

何も話さないで 言葉にならないはずさ

流した涙は雨となり 僕の心の傷いやす

→「言葉にならない」状況というのは、きついとか辛いとか、ポジティブではない状況だろうと思われるが、この場合、流した涙は誰の涙…?

「僕」じゃない人、例えば「君」の涙の場合、他人のネガティブな感情で生まれた涙で自分の心の傷を癒すって…どういう状況…?

 

人はみな 心の岸辺に 手放したくない花がある

それはたくましい花じゃなく 儚く揺れる 一輪花

→心に花があるということは、花=「思い」という仮説は間違いないだろう。
 でも、そうだとして、皆、心にある「思い」はたくましいものでなく儚いものだと決めてしまうのか…!

 

花びらの数と同じだけ 生きていく強さを感じる

嵐 吹く 風に打たれても やまない雨は無いはずと

→たくましい花ではないし、一輪だけだけど、花びらの数が多ければ、より生きていく強さが感じられるの…?

前半では、花が散るたびに届かぬ思いが涙や笑顔で消されて大人になるという成長の描写に納得したのに、花びらの数だけ生きていく強さを感じると言われると、恋愛上手な人の方が生きる強さがある、と思えてしまうが…。

そして、「やまない雨はない」って雨を試練のように描写するのはよくあるが、この歌での雨は「僕」のいやしじゃなかったのか!?

同じ曲の、せめて同じ二番の中だけでも、言葉の持つ意味合いは揃えてほしい…!

 

 

…あとは、ほぼ同じ歌詞の繰り返しなので自重することとします。

ひねくれ者で、本当にすみません。