2017年からバンドではなく自分の音楽を作り始めて5年が経過。
その間に、6曲入りのEPを5作品発表してまいりました。
その節目に、これまで創ってきた作品をまとめてみようと思い企画した1枚が、本日リリースされています。
自分で選曲をした、大した売上も知名度もない楽曲たちに対して「ベスト盤」とは口が裂けても言えず、取り敢えず「コンピレーションアルバム」と謳っておきます。
そのタイトルは、「samidare」と命名しました。
由来として…
・「5」にまつわる言葉であること
・これまで五月雨式に自分がいいと思う音楽を創り続けたこと
・メイソウパレット結成前に組んでいたバンド名が「サミダレ」であり、自身の音楽活動のルーツに関わる言葉であること
など様々な観点から、この言葉一択で決まりました。
常日頃からのマイルールとして、曲名にも歌詞にも英語(アルファベット)は使わない主義なのですが(3rd EPタイトル「C」は例外)、普段のオリジナルEPのラインナップと色分けをする点からも、表記は「samidare」を採用しました。
かねてより「samidare」という字面が英語っぽく見えて面白さも感じていましたし。
ちなみに、14曲全てミックスをやり直しており、より胸を張ってお届けできる作品たちに生まれ変わっています。
以下、今作用に改めて書き下ろした全曲ライナーノーツです。
1. 多分、これが真実 feat. ハネジロー(1st EP「多分、これが真実」収録)
オープニングを「飾る」曲として、ハネジロー君のギターが光るこの作品を選びました。
綺麗事を一切述べないこの歌詞に私らしさが詰まっているようにも思いますので、自己紹介としても最適かと。
2. 旗を振りかざせ feat. まさき(2nd EP「デモンストレイト」収録)
今回のアルバムは、「ライブのセットリストを考える気持ちで」「同じEPからの曲を連続で並べない」というルールのもと、選曲・配置を行いました。
その結果、2曲目に選ばれた「旗を振りかざせ」。
それまで、「思い切り歪んだギターをバックにずっと声を張り続けて歌ってこそロック」、と思っていましたが、この曲の制作にあたり少し大人の階段を上れた気がしました。
まさき君らしい、かっちりとしたギターがこの曲のイメージを完成させてくれています。
3. ヘッドライト(5th EP「国亜紀」収録)
最新のEPからの選曲。
2nd EPから「100%コンピュータでの作曲活動」に取り組み始めましたが、自分だけの手でこうしたしっとりした曲も制作できるようになったと自信に繋がった一曲です。
私の作品の中では、珍しくドラマ性のある雰囲気をもった曲の一つだと思います。
4. 辿り着いた森 feat. NAOYA(1st EP「多分、これが真実」収録)
バンド活動を休止した直後、試しにバンド向けではなく自分の為の曲を作ってみるか、と思って完成した作品。思えば、この曲からソロ活動が始まったということになります。
ギターはNAOYA君。デモ曲を聴いて、様々なギタープレイのパーツを提供してくれたので、編曲がとても楽しかった思い出があります。
5. ドゥリモンスタ(4th EP「正午の実験室」収録)
デジタル感を全面に打ち出した、制作当時の私の中での全力のポップソングです。
現代社会の課題について歌っているのですが、時代を反映し過ぎて数十年後に読むと何を言わんとしているのか伝わらない歌詞なのかもしれません。
6. ワラエバ(3rd EP「C」収録)
皆で手をたたきながら一緒に歌えるような曲を目指しました。
時々、こうして外国語のような響きを持つ日本語曲を作りたくなります。ラジオ番組「Radio Paradise 耳が恋した!」でも放送していただき、濱田司郎さんから「個性的」と表現していただきました。
現在も、こんなソラミミソングを一曲制作中です。
7. 美と刺激(5th EP「国亜紀」収録)
3曲目「ヘッドライト」もそうですが、4,5年前に創った曲と最近創った曲が並ぶというのは感慨深いものです。
この曲は、デジタルとロック、ポップさと妖艶さ等、様々な要素を詰め込めたと感じています。
8. 僕が眠りについた後は(3rd EP「C」収録)
この曲が、これまで創ってきたどの作品よりも多くの人に受け入れていただけるものではないかと考えております。
音色も歌詞も、これ以上に優しいものを生み出すことは二度とできないのではないか、というくらいに絞り出しました。
9. 開花(4th EP「正午の実験室」収録)
一般受けしないであろうこともわかっているのですが、なぜか自分の作品の中ではトップクラスにお気に入りの一曲。
全曲リミックスにあたり、大半の曲でコーラスを追加しているのですが、この曲はコーラスの力で随分印象が変わったと思います。
音楽を創り続けている自分を鼓舞する歌です。
10. 変わりたい、変わりたくない feat. NAOYA(2nd EP「デモンストレイトEP」収録)
コンピュータのみでの作曲が増えてきたので、NAOYA君のアコースティックギターが響くこういった曲は貴重な存在になってまいりました。
JOYSOUNDでもカラオケ配信させていただいており、自分でも歌ったことがありますが、息継ぎがかなり大変です。
11. 21.4世紀 feat. ハネジロー(1st EP「多分、これが真実」収録)
これもドゥリモンスタ同様、社会がテーマの楽曲ですが、もう少し先の未来について書いています。
ところどころ歌っているスキャットは、鼻歌の時から浮かんでいた音をそのまま採用していますが、"under ruler" "anti-ruler"と聞こえ、奇跡的に歌の意味に合致していることに後から気付きました。
12. ふわふわ(3rd EP「C」収録)
ギタリストに頼らない、コンピュータだけの自力での作曲を始めた後も、しばらくはコンピュータによるバンドサウンドの再現を追いかけてしまっていましたが、初めてそこからの完全な脱却ができた作品。その点では、この曲の完成が、一つのターニングポイントだったようにも思います。
かなりデジタルな音色ですが、そのくせ歌詞の内容は結構アナログであり、そのギャップを楽しんでいただけると嬉しいです。
13. ラブラドール feat. ハネジロー(2nd EP「デモンストレイトEP」収録)
活動休止中のバンド、「メイソウパレット」のテーマソングです。書いてから数年しか経ってきませんが、これほど勢いのある曲はもう創れる気がしません(笑)
いつかライブでこの曲を披露することができるならば、生バンドでの演奏で実現したいものです。
14. 孤高につき、光を生み、 feat. NAOYA(1st EP「多分、これが真実」収録)
締めくくりは、1st EPの1曲目で。
「開花」と同様、音楽を創り続ける上でのスタンスのようなものを歌っています。
この気持ちでコンピレーションアルバムを閉じ、次なるEPへと気持ちを向けていきます。
以上、14曲ものライナーノーツにお付き合いくださりありがとうございました。
さて、私の発表する作品に欠かせないのは、YHiRO君によるイラストですが、今回はせっかくの自身初のコンピレーションアルバムということで、YHiRO君への感謝を全面的に打ち出しつつ、自分でジャケット作品を制作してみました。
よろしければ、少しでも構いませんのでご一聴いただけますと幸いです。
music.apple.com
もしくは歌詞だけでもお読みいただけると励みになります。
catchypandemic.wixsite.com