邦秋の、ギャラリー「個と場」

宮崎在住の邦秋による言葉のギャラリー。自作詩・自作詞(歌詞)を中心に、その他、アイデアや雑感、気づきの備忘録。関心事:デザイン・教育・音楽・Eテレ・効率化・唐揚げ・kintone他

prose poetry(散文詩)

もしも願いが叶ったら

「しまった…。昨日イライラし過ぎて、あいつの悪口を投稿してしまった」 「本当? それは取り返しのつかないことをしたわね」 「あぁ。あいつのこと、嫌いなわけじゃないのに、こんな言い方されてしまうと、何も知らない人が見たらあいつがすごく嫌な奴に見…

台風が過ぎるまで

今日の夜から明日にかけて 僕らの街で台風が暴れるらしい だからしっかり雨戸を閉めて 雨と風から身を守ろう 速く流れ行く雲の隙間から 一筋の陽射しが貫通したら その瞬間から新たなスタートが切れるよう 閉め切った雨戸の中で力を蓄えるんだ 慌てても時は…

自然体の独自性

茶色の煉瓦風のタイルを纏ったビルがありその外壁を遮るように畳まれた垂れ幕がある 駅前の風景を一枚の写真に収めた時に垂れ幕が描いたその波線一つで街が死んだように見えた 何を正しいと呼び、何を間違いだと叫ぶかは人それぞれだがこの写真では、この街…

勝手な祈り

街を歩いていると 無数の車が通り過ぎて行く 僕はそのナンバープレートを見てしまう そして そこに記された数字が 今日の日付になっていると 「今日はこの車のドライバーの誕生日なのかな」 勝手に解釈してしまう そうして 「いつもと違う特別な気持ちで運転…

人はなぜ生きているか

人はなぜ生きているか その問いに対する答えはない 何も考えず、人の作った環境で、 人の言うことにだけ従って 一生を終えることもできる それが良いか悪いかという話ではない 全てが自由なのだ 人はなぜ生きているか その問いに対する答えはない 自分がやり…

3と2と1

右手から流れてくる製品が 世に放たれていく過程を左手に見送るだけで 自分自身はベルトコンベアの前から一歩も動いていない そんな感覚に陥る時期がある それでも自分の可能性の中には 手品師が見せる箱の内部のように 空っぽのようでも「今」を飛び出す種…

2019年4月30日

昭和に生を享け、これまでの人生の大半を平成に生きてきた 意味のない時間の流れに節目を刻み 今や過去を感じてしまう僕たちだから 明日から生まれてくる人は、 自分との関わりを感じない平成という時代を 縁のない昔話と捉えるのだろう 今日と明日の生活に…

待ち時間の楽しみ

毎朝、青信号を幾度か見送らないと通過できない大きな交差点がある。 いつも右車線に位置する僕は、気が付くと左車線に並ぶ赤いブレーキランプの整列を眺めている。 先に見える信号が青になった後、海外中継の時差のようなタイミングで、視界の最前列の車の…

幸せな人生

溢れ出る感情が、心のキャパシティを超えそうになったとき、 言葉を綴ることで僕は僕をコントロールしている。 そして、その感情は、幸せや楽しさというよりは、 怒りや絶望といった類のものの場合が多い。 だから、安寧な日々の中では作品が湧いてくること…

定時観測

眠りから目を覚ました太陽が 起き上がる途中の角度 それを気にせず 時計を信じて行動する僕たちだから 寒くて暗く静かな六時を 暑くなり過ぎる前の明るい六時を 自転車で駆け抜けているそのときに 季節の訪れを感じられる それが好きだ 細いタイヤで 路上に…

裏側

本を買うと、表紙の裏側や帯の裏側まで見てしまう悪い癖がある。 映画のエンドロール後のちょっとしたエピソードのような、作者の遊び心を取りこぼしていないかを確認してしまう。 その裏側が真っ白だったとしてがっかりするわけではない。 ただ、遊び心を見…

僕から僕へ -2019春-

20年前の僕へ。 潜在的な影響を受けていたのに 真似事を真似事と自覚していない中で、 僕は詞と詩を綴り始めましたね。 途切れ途切れの道のりながら、 僕好みの響きと語順で構成された言葉たちは、 今でも少しずつ蓄積されています。 そして、最近は「個と…

空砲

気に入らない人がいるのなら 悪い噂を作って騒げ 山から引き摺り下ろすには 疑惑程度で十分らしい

言葉の旅

「気持ちの浮き沈み」 という表現があるが、心の動きを表すには物足りない気がしている よりよい表現がないか 「気持ちの摩擦」 これだと、嬉しいときや落ち込んだときという描写に欠けているし、 「気持ちの上下運動」 これでは、気持ちを能動的に動かして…

ことば

言葉は生きている。 色も映像もない、言葉だけが並ぶ文章に、自分の全てが滲み出てしまう。 内容そのものが思考や性質を投影しているのは勿論、 わかりやすい文章、拙い文章、そんな表面的で技術的なことですら、 そんな文章を書くだけの人間に至ったこれま…

3月

欲しいものを手に入れるには努力が必要だけど 要らないものを綺麗に手放すことも難しいよね

締切

締切があるから、 今取り組んでいる作品と より深く向き合えて より素晴らしい表現を生み出せるように 人生の終わりを悟れば、 今目の前にいる人と より深く向き合えて 少しは優しい人間になれるでしょうか

アドバイス

ボールはすぐに手放しなさい どうしてもすぐに手放せなければ 常に転がし続けなさい 動かさずに手元に放置したボールは 輝きを失い、重みを帯びて、 刻一刻と手放せなくなっていくから

氷の予感

誰からの便りも 嬉しいのだけれど、 君からの便りが 無いのが気がかり。

運命

「あの日から運命が変わってしまった」 そう嘆く人がいる。 「自らの努力で運命を変えるんだ」 そう意気込む人がいる。 運命ってそんなに身近なものだっけ。 僕は、思う。 変わってしまうのも、変えたいのも、 運命じゃなくて現状なんだろう、と。 自然の脅…

りくつへりくつ

言葉が感情を作るから、 忘れよう、ヘリクツという言葉。 問われて答えるその途中、 ヘリクツを言うなの一言で、 話を遮る人がいる。 確かにあなたはいつの日も、 正しい側かもしれないが、 意見が合わない者同士、 会話をすればお互いの、 理屈は互いにヘリ…

「人はなぜ学ぶか」への答え

世の中、ルールを作った者が力を持つ ルールを作るには相当な知識と経験が必要になる ルールを作った者が、そうで無い者をどう操るかを決める 操られる側に立ちたくなければ、まずは勉強をしなければならない このことに気づけた今日から 学び続ける人生にし…

余白さえ

物事を感じ過ぎる僕たちには 「何も無い状態」は巡ってこない 音が無くても寂しさが在るし 光が無くても恐怖が在る 筆がなぞらなかった余白に美しさが在るし 言葉にならない間(ま)が伝えることもある 見えるもの、見えないもの 聞こえるもの、聞こえないも…

若者

生きてきた長さだけで強くなれる世界なんてごめんだ 無闇な年輪を鼻で笑えるような確かな力を蓄えて 新しい尺度で高みを極めろ 一つの場所に留まることに美徳なんてない 水が溜まって濁りゆく川を避けたいなら 自ら川を清めていくか、そこから泳いで大海を目…

20180802 川柳

体から 放たれないまま 葉月の祝言

道端の煙草

20m手前からでも目についてしまう ​アスファルトに捨てられた真っ白な煙草 それは濃い灰色の背景で目立ったのではなく 捨てた人の気持ちと綺麗な街とのコントラストのせいなんだろう

だから言葉を綴るんだ

自分の顔や背中が見えないように 自分の気持ちが抱えるものは 見えているようで見えていない だから言葉を綴るんだ まずは言葉を綴るんだ 書き始めたら言葉が気持ちに 素直な方角を向き始める 書き進めたらその方角に 明確な道を示し出す ごまかしを効かせぬ…

やっぱり苔じゃなかった

ころころ転がり行き着いた地でまき散らしていた希望のビラはとっても薄くて小池に溶けた浅はかな群れが信じた緑は やっぱり苔じゃなかったやっぱり苔じゃなかったやっぱり苔じゃなかったやっぱり苔じゃなかった ふらふら動かず動かされずに無駄に騒がず世界…

タイムラインという名の海

人の集まりを例えて人の輪という表現がある人が弧の一部を形成しているように聞こえるこれがそのイメージに合致していない気がしてならなくて僕は敢えて「人の海」という例え方をしたい 人は、複数の海に同時に飛び込むことができるそして現代では雲の海に心…

水の流れ

この水はいつまで僕たちのために綺麗でいてくれるだろう この水はいつまで僕たちのために湧き出てくれるだろう ただ一つ知っているのは永遠に続くものなどないということ 限りあるこの時間を愛おしく想いながら恵みを授かり、恵みに感謝し、恵みに還元してい…