初めてヘビーメロウを聴いたときから、「この曲は朝に、そしてこの番組にとても馴染んでいるなぁ」と感じました。(個人の感想です。)
そして、それは、私が長年スピッツを聴いてきたから、ということでは済まない、別の理由がある気がしていました。
これまでのめざましテレビのテーマソングを思い出し、一つ発見したことがあります。それは、シーンが転換してテーマソングが流れ始めるとき、今までは歌のサビから始まっていたのではないか、ということ。
(同番組を見ていなかった期間もあるので、この曲に限ったことではないかもしれません。以下も同様。)
出演者の「おはようございます!」のバックに始まる「ま~いにちがスペ~シャ~ル」だったり、外の定点カメラの映像に切り替わったタイミングで始まる「アイジャナイト ユウジャナイト 愛なんてきっと~意味がない YEAH YEAH」だったり。
恐らく、番組の影響力の大きさを考慮したのでしょう。歴代のラインナップを見ると、それぞれのアーティストが、自分たちなりのアプローチで、「朝から元気を出してもらえる曲を」と、張り切って珠玉のサビを準備したのではないでしょうか。
その中で、スピッツの「ヘビーメロウ」。
この曲の起用のされ方の特徴として、サビではなく演奏個所から流れ始めていることにお気づきですか?
1994年の放映以来、様々な方がテーマソングを担当してきましたが、「オリジナル曲」「バンド」という括りで絞ると、実はたった5組(リンドバーグ、TUBE、Mr.Children、SEKAI NO OWARI、flumpool)と少ないことがわかります。
スピッツは、数少ないバンド単位でのテーマソング担当として、メンバー全員で奏でる「音」で視聴者に気持ち良い朝を迎えてもらうことを選択したのではないか、そんな気がしてなりません。
そして、歌詞に目を向けると、「今日も元気に!」や「気持ちの良い朝」という定番のベクトルを見事にかわし、歌われているのは「泣いてもいいかい?」「期待裏切る」といった言葉たち。張り切って朝のテーマソングを書こうとすると思い浮かばない世界観を創り上げています。
声とメロディと言葉という強いパンチではなく、爽やかな「音」で出迎えてくれること。
そして、「朝から元気に!」というメッセージを押し付けない自然体な世界観。
テーマソング担当としてスピッツが出したこの答えこそ、私が感じた「朝への馴染み」の理由だったのだろうと思います。
以上、勝手な解釈でした。