邦秋の、ギャラリー「個と場」

宮崎在住のランチタイムミュージシャン、邦秋(くにあき)の頭の中。アイデア備忘録・雑感・お役立ち情報から創作活動(音楽・歌詞・散文詩等)の展示・解説まで幅広く。関心事:DTM・音楽・ロゴ・デザイン・教育・APPLE・効率化他

20190316 ピエール瀧氏出演作品の販売配信自粛の理由

ピエール瀧氏出演の作品の出荷停止、在庫回収、配信停止について疑義を唱える人がいますが、自粛は当然の話です。

 

理由は簡単で、ピエール瀧という人そのものに商品価値があるからです。

 

 

例えば、パソコン部品の製造工場のライン作業者A氏がコカインを所持使用の容疑で逮捕されたとします。

 

その工場は、A氏を出勤停止にするでしょう。

 

そして、彼が携わっていたラインで作られた部品の品質を確認するでしょう。パソコンメーカーやユーザーから信頼してもらえる質が保たれていたかどうか。

 

その確認の結果、問題がなければその部品は別工場に輸送され、パソコンの一部に組み込まれ、世に出荷されるでしょう。

 

この例えと比較した時に、ピエール瀧氏はどこにあたると思いますか。

 

恐らく、多くの方はピエール瀧氏は、パソコン部品工場のA氏にあたると答えるのでしょう。

 

映画や音楽作品を、今回の例でいう「完成したパソコン」に置き換えたとすると、部品工場の一作業員が不祥事を起こしていたとして、パソコンという「作品」に罪はない、という発想となるのは自然なことです。

 

しかし、本件は違います。

ピエール瀧氏は、作品の重要な構成要素であることを思えば、むしろパソコンの部品そのものなのです。

 

その部品の社会的信頼に疑義が生じてしまった以上、パソコンをリリースするメーカーや店舗は、ユーザーや株主が受ける印象を配慮し、その自粛を決定するのはやむを得ない事態だと思います。

 

部品の品質にも許容範囲があるように、作品とその構成要素の逮捕という事実とが、どの程度結びつくかというのは、逮捕された人の影響力の大きさによって判断されるのでしょう。

 

作品に罪はないから、既にその作品を手にしている人が、それらを楽しむことは誰もが止めません。

 

でも、その構成要素が罪を犯した可能性があるから会社としては、その作品の販売や配信は自粛せざるを得ない。企業活動としては当然の判断です。

 

 

中には、販売や配信の自粛がピエール瀧氏の社会復帰を遠ざけると叫ぶ人がいますが、これはあくまで一時的な措置であり、しかるべき時が来たら販売や配信が再開されるはずです。

むしろ、これは社会復帰を後押しする仕組みができていると判断すべきでしょう。

 

有名人とは、人そのものに商品価値のある。

だからこそ、日頃からの行いには十分気をつけてほしい、と切に願うばかりです。