20年前の僕へ。
潜在的な影響を受けていたのに
真似事を真似事と自覚していない中で、
僕は詞と詩を綴り始めましたね。
途切れ途切れの道のりながら、
僕好みの響きと語順で構成された言葉たちは、
今でも少しずつ蓄積されています。
そして、最近は「個と場」という居場所も作り、
20年書き続けてきたという事実が生み出す
自信のようなものも少しずつ芽生えていた気がしていました。
しかし、2019年3月22日。
僕に、しっかりと影響を与えていた天才による一冊の詩集によって、
その自信のようなものは脆くも崩れ去ることになります。
20年間、僕は僕なりに「自分の国」を築いてきました。
しかし、天才が創造していたのは遥かに大きな「宇宙」でした。
腕をかくごとに脳内を掻き混ぜられ、
感情を揺さぶられた宇宙遊泳。
そのときめきと驚きと幸せな悔しい疲労感を胸に抱き、
これからもこのちっぽけな小さな国を、僕なりに
少しずつ高く、少しずつ深く、育んでいこうと思っています。
25年後の僕へ。
25年後も僕は、宇宙から程遠い小さな国を営んでいるでしょう。
でも、書き続けた45年が生み出す自信のようなものは、
今の僕のそれよりも崩れずに耐えてくれるだろうと信じています。