またまた、「おかあさんといっしょ」の体操ソングについて。
4月から始まった「からだ☆ダンダン」は、長年続いた前作「ブンバ・ボーン」ロスを吹き飛ばすほどのインパクトと楽しさで、公開初日から世の子供たちを笑顔にさせています。
そんな素晴らしい「からだ☆ダンダン」ですが、その新曲の登場を機に気づいた「ブンバ・ボーン」のすごい点について備忘録がてら書き残したいと思います。
まず、両作に共通する体操ソングの構成ですが、私なりに以下の通りパート分けしてみました。
①元気にはじまる
↓
②ややクールダウン
↓
③しゃがんでお遊戯
↓
④立ち上がって次の山場へのつなぎ
↓
⑤皆で輪を描いて走る
↓
⑥スケール感のある締めくくり
↓
⑦冒頭(①)のリフレイン
↓
終了
この中で、今回注目したのは⑤→⑥のつなぎ目のところ。
新曲「からだ☆ダンダン」では、
⑤「じまんのエンジン じんじんもやせ じんじんじんじん
じまんのにんじん どんどんたべて どんどんどんどん」
と子どもたちを楽しく走らせた直後、誠お兄さんが「止まるよー! ストップ!」と号令を出し、「ビュ~ン」と両手を広げて定位置へ移動しつつ、仕切り直してから、「びゅーんと風が吹いてきたよ」の歌詞から始まる⑥に移ります。
強引にシーンを変えていかなければならないのは仕方がないのですが、せっかく子供たちが一番大きく体を動かすこととなる⑤なのに、そこそこ短い間で曲ごとぶつ切りさせるのはもったいないなぁと感じていました。
そして思い出した、「ブンバ・ボーン」のこと。
「ブンバ・ボーン」でも、同じく⑤のパートで
「さあ見つけに行こうぼくらのたからもの
この地球のどこかにきっとあるはずさ」
という歌詞のもと、子どもたちを走らせますが、その後に工夫が凝らされています。
「ちょっと止まってみたり ゆっくり歩いてみたり
急いで走ってみたり もいちど止まってみたり
トンネル覗いてみたり みんなで探そう」
と続き、前段の⑤の走りから、曲を止めることなく自然と様々な動きを織り交ぜて、⑥の「ブンバ・ボンって走っていこう」という締めに流れるように突入します。
オペラのように目まぐるしく展開していくのが体操ソングの特徴であり、その中で自然な音のストーリーを作り上げるのは大変な仕事です。
その中でも、これまで何度も聴いていた「ブンバ・ボーン」に光る神業に、今更ながら感動をいたしました。
「おかあさんといっしょ」に限らず、Eテレの子供向け番組は日本のクリエイティビティの結晶だと思っています。
ぜひ皆さんも、ご覧になってはいかがでしょうか。