邦秋の、ギャラリー「個と場」

宮崎在住のランチタイムミュージシャン、邦秋(くにあき)の頭の中。アイデア備忘録・雑感・お役立ち情報から創作活動(音楽・歌詞・散文詩等)の展示・解説まで幅広く。関心事:DTM・音楽・ロゴ・デザイン・教育・APPLE・効率化他

20190723 メディアに出て仕事をする人のメディアリテラシーの欠如【20190724追記】

ここのところ吉本興業関連の話題でメディアが湧き返っております。

もちろん業界人でもない私が、吉本興業の体制や記者会見の在り方について語るつもりなど毛頭ないのですが、宮迫氏・田村氏及び岡本社長の記者会見後のメディアの荒れ方に疲弊した、というお話を以下に綴ってまいります。

宮迫氏・田村亮氏の会見直後の放送となった2019年7月14日の「ワイドナショー」については、さすがに吉本興業の大御所二人が務める番組とあって、私も興味がありリアルタイムで視聴しました。

ただ、翌日の岡本社長の会見後から、吉本所属芸人による会社・経営層批判が、テレビ・ラジオ番組やSNSによって積極的に展開されていることには疑問を抱いております。

特に話題になっているのは、極楽とんぼの加藤氏。

自身が務める報道番組『スッキリ』やラジオ番組『極楽とんぼオレたちちょこっとやってまーす!』で怒りを露わにしています。

「それとともに会社に対しての怒り。こんなとこまで追い込んでしまったんだ。会社でやる会見を拒否されて、自分達で色んな人に連絡してこういった場所を借りてここまでやってしまうという状況まで会社が追い込んだんだということに、僕は本当に怒りと憤りを感じています」

エキサイトニュースより) 

顔を真っ赤にして、声を荒げていらっしゃいました。

 

トレンディエンジェルの斉藤氏も、加藤氏の怒りを軸にこう表現しています。

「『僕はこの会社だったんだ』ってことにすごく情けないって言ったらアレですけど…」(中略)
「この感じ…。加藤さん辞めちゃいますよ本当に。下手したら…。こんな感じの会見であれば…」

 (BIGLOBEニュースより)

 

Twitterにも吉本芸人による様々な声が上がっています。

例えば、こんな嫌味が。 

 

 

皆さん、様々な思いを抱えてこれまで仕事をしてきたのだろうと思います。

しかし、吉本芸人の皆さん。
メディアは個人のものではありません。
会社の批判は、社内で行っていただけませんか?

ご自身の所属する会社の経営陣に問題があるのは伝わりました。それは大変同情します。
テレビやラジオに出れば、それに対してコメントを求められる。それもわかります。

それでも、激しく怒ったり思いっきり泣いたり、その感情をメディアでぶつけられて、視聴者はどう反応したら良いのでしょう。
所属している会社の社長の対応に怒り、会見を恥ずかしく思うのは、あくまで内部の話ですよ。
それを、リミッターを外して発言するなんて、正義気取りですか、それとも鬱憤晴らしですか。

社会人はそれぞれ大なり小なり組織に不満を抱えて生きています。
それを我慢しろとは決して言いません。むしろ、状況の改善に向けて動くことが正しいと思っています。
ただ、我慢しないこと=メディアで文句を全て吐き出す、ではないはずです。

ドラマ「3年A組」において、攻撃対象が現れれば一気にその相手を徹底的に叩き、ちょっとした風向きでその矛先が真逆に向くこともある、というソーシャルメディアの負の側面に対して警鐘が鳴らされました。
つまり、メディアリテラシーの欠如です。

今回もまさしくそう。
少し前まで、世間は入江氏・宮迫氏を中心とした闇営業参加者に対する非難一色だったはずなのに、一回の会見で今の矛先は岡本社長に向いています。
そして、メディアに出て仕事をされていらっしゃる吉本所属芸人の皆さんが、こぞって自社の経営層を袋叩きにしているのです。
メディアという「仕事」の場を用いて、職場に対する不満を述べる。この現状に違和感を覚えるのは私だけでしょうか。

入江氏・宮迫氏を中心とした闇営業問題はどこへ行ったんですか。
反社会的勢力の被害者の思いに寄り添わなくなるには早過ぎやしませんか。 

 

ちなみに、私の目に入ってきた発信の中で、一番恥ずかしかったのは清水圭
ここぞとばかりに、なんと18年前に岡本社長から受けた言葉やその態度について蒸し返しています

私は18年前の2001年、ドラマ「明日があるさ」第1話において
準備稿に書かれていた私のセリフと出番が、決定稿では半分ほどになり
さらに自分で一番の見せ場だと思っていたシーンが
跡形もなくカットされていることを見て、正直憤りました

ウルルンの楽屋で、決定稿を渡してくれた新人マネージャーに
「なんでこうなったのかの説明がなかったら、俺出られへんわ」
と憤りながら気持ちをぶつけたところ

後日、それまでほとんど会ったことのない岡本氏が
アンビリバボーの楽屋に突然来て
マネージャーを楽屋の外に出し、ふたりきりになってから
私の説明を聞くこともなく、いきなり
「なにが文句あるんですか?
言うときますけど、テレビ局もスポンサーも清水圭は要らんと
言うてるんです。それを吉本がお願いして出られるようにしてあげてるんです。
会社のやり方に文句があるなら、いつ辞めてもらってもいいんですよ」
と恫喝されました

清水圭オフィシャルサイト「今日の会見を見て」より)

 

今のご時世、社長による「いつ辞めてもらってもいい」という発言は、歓迎されるものではありません。しかし、この清水氏のドラマに対する憤りには同情・共感できない私がいます。

「映画は監督のもの、舞台は役者のもの、テレビは脚本家のもの」という言葉を聞いたことがありますが、清水圭氏のセリフ及びシーンのカットは、役者として力不足だったこと原因だった可能性もあるのでは?と勘ぐってしまったからです。

もしそうであれば、その怒りを新人マネージャーにぶつけることも、立派なパワハラでは…?

憶測はよくないですね。その真偽はわかりませんが、このタイミングで18年前の思い出話は、人として、大人としていかがなものでしょうか。

 

逆に、本件に触れた発信の中で、一番好感が持てたのは次のツイートです。

 

 

本音・思いは発しつつも社会派や優等生気取りをせず、芸人としての本分を忘れずに笑いをしっかり取り、閲覧した人の気持ちを和ませる。
今回の件に関して芸人がとるリアクションとしてベストだったように感じました。

 

本来、今回の一連の件でメディアが取り上げるべきことは、芸人が反社会的勢力と繋がった場があったこと、そして吉本興業にも反社会的勢力との繋がりがあった疑惑があることです。

 

それ以外は、あくまで社内で感情を爆発させ、社内で建設的な議論をし、社内で決着してください。

 

【20190724 追記】

7月24日の「スッキリ」での極楽とんぼ加藤氏の発言です。

僕の意思はそんなに変わらないと思うんですけど、会長としてどういう改革ができるのかというのを大崎さんにしっかり聞いて(皆さんに)お伝えできればいいと思います

ORICON NEWSより)

「お伝えできればいいと思います」というのは、加藤氏が吉本興業の今後の動きに関するスポークスマンを務めるかのような言い方です。

ただ、「会長の改革」の件といっても、会社・経営層が芸人をどう扱うかというのはあくまで社内の問題ですよ。

「皆さんに」お伝えすべき内容は、反社会勢力との繋がりなどに関する件の方ですからね!!