邦秋の、ギャラリー「個と場」

宮崎在住のランチタイムミュージシャン、邦秋(くにあき)の頭の中。アイデア備忘録・雑感・お役立ち情報から創作活動(音楽・歌詞・散文詩等)の展示・解説まで幅広く。関心事:DTM・音楽・ロゴ・デザイン・教育・APPLE・効率化他

自然体の独自性

茶色の煉瓦風のタイルを纏ったビルがあり
その外壁を遮るように畳まれた垂れ幕がある

駅前の風景を一枚の写真に収めた時に
垂れ幕が描いたその波線一つで街が死んだように見えた

何を正しいと呼び、何を間違いだと叫ぶかは人それぞれだが
この写真では、この街が呼吸しているという事実が
伝わらないことは確かである

そう思い、写真の世界においては
垂れ幕が無かったことにすることとした

 

垂れ幕の周りのタイルを選択し、コピーして
煉瓦模様が連続するよう垂れ幕の上にコピーした煉瓦を貼り付ける

選択範囲の中には十二個の煉瓦があり
その枠の中の右上の煉瓦に照準を合わせ、模様を繋げていく

あたかも垂れ幕が無かったかのように
隣り合った煉瓦が連続の模様をなすことができた

できたと思っていた

しかし、二段下の煉瓦の継ぎ目には不自然な段差が生まれていた
その下も、その下も、段差は明らかに大きくなっていた

何の変哲もない連続に見えるその煉瓦
その一瞬に、一段一段、一つ一つが生み出す
固有の形、角度、色合いは

他のどれとも同じではなく
周りの風景の流用によって誤魔化すことを簡単には許さない

それが人口構造物の風景であっても、である