邦秋の、ギャラリー「個と場」

宮崎在住のランチタイムミュージシャン、邦秋(くにあき)の頭の中。アイデア備忘録・雑感・お役立ち情報から創作活動(音楽・歌詞・散文詩等)の展示・解説まで幅広く。関心事:DTM・音楽・ロゴ・デザイン・教育・APPLE・効率化他

僕が眠りについた後は

椅子の上、ゆっくりと揺られて
止まらない時計の針を眺める

憶えているはずのない揺り籠の
寝心地を、なぜだろう思い出す

初めて綺麗な心を取り戻せたとき
記憶を旅する映画が目の前に流れ始めて

たった一粒の涙が全ての笑顔を濡らしていく
癒えたつもりで気にもしなかった
傷跡はまだ傷んでいる

そんな悔やむことばかりが映し出されていくのは
大事なものを傷つけないよう
生きる術もわかっていたから

 

少しずつ心音が弱って
幕のように降りてくる瞼たち

窓から光が僕と椅子に射し込んで来て
体が少しずつ軽くなって浮かび始める

海の全てを巻き込んで寄せた波が返した後
砂浜に光る貝殻が一つ静かに残されている

僕が眠りについた後も時計は止まらないから
明日からもここで生きるあなたは
せめて幸せなままでいてほしい

 

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