オリジナル曲集、2nd EP「デモンストレイトEP」の完成を機に、前作「多分、これが真実」と同様、歌詞集としてのブックレットの印刷データを一旦作成していました。
本格的にCDをプレスするわけでもなく、普及は配信にお願いしている以上、このブックレットは基本的に出る幕はありません。
しかし、昭和生まれの私にとっては、ジャケットのアートワークやブックレット等も含め、総合芸術としての準備が整うことで、ようやく音源作品が完成する、という価値観から脱却できないのです。
茶道が、茶室でたてるお茶だけでなく、その場にある掛け軸や花、器などにも心を配られている感覚に似ているものと、個人的には感じています。
とはいえ、上述の通りプレスをしない「デモンストレイトEP」に対して費用をかけてブックレットの印刷をするわけにもいかないので、せめてデジタル仕様で楽しんでいただきたいと思い、PDF方式にしてウェブ上で公開しようと思っていたのですが、縦横比1:1のブックレットの形では、パソコンでもスマホでもスペースのロスが大き過ぎることに気がつきました。
それならデジタルブックにしようか…とも思ったのですが、私の歌詞を見ていただくのに、ビューワーをインストールしていただく手間をかける人なぞ皆無に等しいだろう…と、こちらも断念。
そうして熟考を重ねた結果行き着いた答えは、「レスポンシブデザインによるブックレットウェブサイトの開設」でした。
この方法により、パソコンでもスマホでも同じような世界観で、しかも文字の視認性も高い状態で歌詞を見ていただくことができます。
私の勉強不足もあるかもしれませんが、1ブックレットのために1ウェブページを開設するというのは前例が無い(もしくは稀)と思っていますが、CD時代の思い出を引っ張るアーティストにとってこの方法は、時代に即した最適解ではないかと自負しております。
「通常ブックレットの閲覧も、CDを購入することで達成できるのだから、安易にウェブ上で公開すべきでない」と思われるかもしれませんが、その場合はシリアルコード方式で公開範囲を限定すれば解決できます。
無論、私に関しては、もちろんそんな面倒くさいことをすると、いよいよどなたにも見ていただけなくなるので、フルオープンで行きたいと思っていますが。
音楽の世界観を視覚的に表現してきたブックレット。この文化を継承するためにも、皆様ぜひブックレットウェブサイトを構築してみてはいかがですか?