「伝説の回」と言われたキングオブコント2021。
その評判通り、大変面白いコントが多かった分、審査員が悩んでいる様子も開催中何度も話題になりました。
また、SNS上では「蛙亭が一番手だったが故に点数が抑えられてしまった」という声も多く、昨今の賞レースの中でも「お笑いと採点」に注目が集まった大会だったと言えるでしょう。
そこで、誰にも求められていませんが、狭く浅いお笑い好きの私も、審査に挑戦してみました。
今回のマイルールとして、ファーストステージは、同点はなしで、しっかりと順位をつけることとしました。
あくまで、個人の感想なので、異論は受け付けません(笑)
※以下、一部ネタバレを含みますので、ご注意ください。
【勝手に審査 ファーストステージ結果】
01 蛙亭 96点
→設定・演技力・ボケの数、あらゆる側面から考えても文句なしのコント界の傑作。伝説の回のトップを飾るに相応しい作品でした。
02 ジェラードン 88点
→番組では高得点でしたが、個人的には「設定や展開の工夫云々ではなく、ただキャラが濃いだけ」だった印象で、蛙亭と比較したときの「コントとしての充実度」には欠ける気がしました。
03 男性ブランコ 91点
→こちらも、ジェラードンの流れに同じく「キャラの濃さ」が目立った印象。
ただ、海の効果音や照明を駆使している点や妄想と現実の使い分けをする展開の工夫等、ジェラードンよりは「コント性」を感じ、点数(順位)は蛙亭とジェラードンの間としました。
04 うるとらブギーズ 92点
→こちらは、キャラ性と設定の巧みさのバランスが良かったように感じます。ただ、序盤の慌てるおじさんのセリフが、慌て過ぎて聞き取りづらく、少しストレスを感じてしまいましたので、蛙亭よりは少し点数を下げました。
05 ニッポンの社長 90点
→バッティングセンターの球に当たりたい男という、とても独特なキャラ設定と、球が当たった時のリアルさが秀逸でした。
しかし、笑いどころがほぼその一点だけだったので、今大会のネタのラインアップに並ぶと、展開にもう一捻り必要だったかな、という印象。
06 そいつどいつ 89点
→市川刺身さんの演技力の高さが際立っていましたが、コント・お笑いとしては弱かったかもしれません。終盤の、パックを使ったドッキリからネタバラシまでの流れは、コントというより仮装大賞を見ている気がしました。
07 ニューヨーク 86点
→ジェラードン同様キャラの強さだけで勝負した印象です。「オッケーです」の決め台詞が癖になりそうでしたが、序盤から使用し過ぎて後半は飽きてしまいました。
08 ザ・マミィ 93点
→こちらも、そいつどいつ同様、お笑いなのか劇なのか線引きが難しい設定でしたが、ちゃんと面白かったことでお笑いに傾きました。声の大きさや間の差かもしれません。
09 空気階段 98点
→とんでもない設定と、入り込める演技力で文句なくファーストステージ1位。途中、もぐらさんがゴロゴロ転がるシーンで数秒間流れが止まってしまったのが気になりました。それがなかったら、100点満点だったと思います。
10 マヂカルラブリー 87点
→審査員長 松本さんの言葉の通り、「吊り革」ネタの再来に見えたのが、賞レースの戦い方としては甘かったかと。ただ、本当に指が体を動かしているように見える演技力と身体能力はもはや名人芸でした。
以上、初めて採点をしてみましたが、こんなにも難しいとは思いませんでした。
そして、これを1ネタごとに判断しないといけないのは確かに酷な仕事です。
せめて、前半後半に分けて5組分ずつ得点を発表できれば良いのでしょうが、それだと番組の盛り上がりにかけるのでしょうね…。
ちなみに、この勢いでファイナルステージも採点してみました。
【勝手に審査 ファイナルステージ結果】
01 男性ブランコ 89点
→ファーストステージでは、設定や展開で中和されていた「キャラの濃さ」の悪目立ちが、ファイナルステージでは際立ったしまったように思います。実は幼馴染だったという展開は、お笑いの要素としてはプラスには働かなかったかと。
02 ザ・マミィ 90点
→世界観は面白かったですが、序盤のやり取りがほぼ全てだったという印象。
03 空気階段 92点
→ファイナルステージの中では、世界観が他を圧倒していたものの、ストーリーの展開としては爆発はしなかったように思います。
今回は、お笑い賞レースの中では、久しぶりに本気で笑った大会でした。出場された方々のこれからのますますのご活躍を祈念しております。
以上、キングオブコント2021勝手に審査員でした。