邦秋の、ギャラリー「個と場」

宮崎在住のランチタイムミュージシャン、邦秋(くにあき)の頭の中。アイデア備忘録・雑感・お役立ち情報から創作活動(音楽・歌詞・散文詩等)の展示・解説まで幅広く。関心事:DTM・音楽・ロゴ・デザイン・教育・APPLE・効率化他

20220818 6th EP「ファッションショウ 破壊盤」ライナーノーツ

この度、個人名義6枚目のEPが完成しました。

前作「国亜紀」は、自分の理想の音楽を詰め込んだ一枚となり、大きな達成感がありましたが、そこから次に向けて制作のモチベーションを湧かせるにあたり、今回は一曲一曲に今までの自分を超える挑戦を課していこうと決意。

その方向性が決まった時からEPタイトルは、「従来以上に色とりどりの曲に溢れた1枚になる」ことを見越し「ファッションショー」と名づけ、曲作りを進めてまいりました。

そして、そのアイデアを早速イラストレーターYHiRO君に相談したのが2021年の8月。そこから、約1年間をかけてイラストを制作してくれました。

完成作品として、「破壊バージョン」と「創造バージョン」の2パターンが誕生。毎回複数案を準備してくれるという手厚い配慮がありがたい限りです。

YHiRO君本人としては、どちらかを採用してもらえば、という気持ちだったようですが、前述の通り挑戦に満ちた6th EPを「破壊盤」、その破壊の先に生まれた「私」が生み出す新しい音楽が集まる7th EPを「創造盤」として姉妹盤とすることを思いつきました。

さらに、YHiRO君からの提案により、EPの表記を「ファッションショー」から「ファッションショウ」とすることに。EPタイトルやリリースの展開をYHiRO君と共同で創り上げている感じがとても嬉しいひと時となりました。

ですので、次回7th EPは「ファッションショウ 創造盤」がお目見えします。

 

では、「破壊盤」について、1曲ずつ簡単にコメントさせていただきたます。

 

1.  おんなじあさ
(この曲の挑戦:サンプリング)

実は、これは7th EP用に書いた曲でした。

しかし、7th向けに準備中の作品群の中で、この曲だけ極めて個性が浮いており悩んでいる内に、当初本EPに収録予定だった「エターナル・ラヴ」が、7th EPのラインナップに馴染みそうであることに気づき、トレードすることに。

また、この曲で初めて日常生活音を音源に取り込んだのですが、この自分の殻を破った作品こそ、「ファッションショウ 破壊盤」の一曲に相応しいのではないかと考え、リリースを前倒しする運びとなりました。

おんなじあさ

おんなじあさ

  • 邦秋
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2. この歌が生まれたように feat. NAOYA
(この曲の挑戦:今まで一番早口な歌)

アップテンポなアレンジと明るいメロディとは裏腹に、歌詞は「現実的な現実」が中心となっており、それでも抱きたい明るい未来についても触れています。

久しぶりに、ギタリストNAOYA君に参加いただきました。お互い、数年の経験値を経て昔ではできなかった一曲に仕上がったと思っています。

また、前作のEPリリース時から今に至る間に、Instagramの音楽専用アカウントを開設するという変化があったのですが、そこで知り合ったa_sya様にLyric Videoのイラストを描いていただきました。

いきなりのオファーだったにも関わらずご快諾いただき、そしてこの曲の明るい雰囲気に隠れた歌詞の意図を深く汲んだドラマティックな一枚を生み出してくださいました。

 

自分史上最も早口な歌として創ってみましたが、多少滑舌が怪しい個所が…。

この歌が生まれたように (feat. NAOYA)

この歌が生まれたように (feat. NAOYA)

  • 邦秋
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3. 漠
(この曲の挑戦:フランス語っぽい日本語ソング)

ある日の運転中にふと、この歌の冒頭のメロディと、フランス語に聞こえる日本語のフレーズが無意識に口から零れたのをきっかけに、急いで曲を組み立てました。

私がボサノヴァギターを弾ければもっと雰囲気が出たのでしょうが、できないものは仕方がないのでシンプルな音色の編曲に。

タイトルの由来は、歌詞に2度出てくる「波」に始まります。波のフランス語を調べたところ、「vague(ヴァグ)」とあり、同じスペルで英語の「vague」もあるな、と。

英語のvagueは「漠然」で、「ヴァグ」と「漠然」の「ばく」の音の響きが似ていて面白いなぁ、などと思いながら、フランス語の「波」の想いを込めて、敢えて「漠」を採用しました。

歌詞のテーマは、「Macbook Proが欲しいけど高くて買えずに、Appleの公式サイトばかり眺めてしまう私」。一途なんです。

漠

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4. あの日君が生まれなけりゃ
(この曲の挑戦:普通のJ-Pop)

新型コロナウイルス感染症の威力が衰えないことを嘆き、その想いを歌にしてみました。

そうした制作のきっかけに始まり、曲や音色、歌詞に至るまで、私のひねくれた部分を一切我慢した「普通の」J-Popに挑戦。

オリジナル版をYouTubeにて早々に公開していましたが、EP収録版はギタリストNAOYA君が素敵なカッティングを効かせてくれています。

ぜひ配信版もお聴きください。

あの日君が生まれなけりゃ (feat. NAOYA)

あの日君が生まれなけりゃ (feat. NAOYA)

  • 邦秋
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5. a(1nth)?
(この曲の挑戦:編曲、歌詞)

当初このEPに収録予定だった「エターナル・ラヴ」が、音の厚みのあるロックソングだったので、その次にどんな曲を持ってきても迫力に欠けることから、いっそのこと、ほぼ声だけの曲にしてしまおう、と思ったのがきっかけで生まれた一曲。

(結局、「エターナル・ラヴ」は次作に持ち越しになりましたが…)

この作品については、あまり自ら語ると興ざめしますので、ぜひ聴いていただき、歌詞を味わっていただきたいです。

a [1nth] ?

a [1nth] ?

  • 邦秋
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6. フィリア
(この曲の挑戦:オーケストラ風編曲)

EPを締めくくるのは、初のオーケストラ風の作品。

楽器もできず、普段クラッシックを聴かない者が挑戦すべきジャンルではないのは重々承知なのですが、こちらも、ある日突然、前奏の感じが頭に浮かんでしまい、形にせずにはおられず完成させた曲です。

演奏の骨子が見えてきた段階で、馬が駆けている風景が頭に浮かび、そこを起点に物語を創造してみました。

このストーリーでショートムービーを創る(創ってもらう?)のが私の夢です。

フィリア

フィリア

  • 邦秋
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  • provided courtesy of iTunes

 

 

以上、「ファッションショウ 破壊盤」のライナーノーツでした。

そして、この作品を束ねてくれる、コンセプチュアルなジャケットイラストはこちら。

 

 

 

YHiRO君が、当初伝えた私の意図を150%具現化してくれました。「ファッションショウ」の名前・意味・響きをそのままビジュアル化してくれたように見えます。

毎度、YHiRO君から作品を受け取る度に「最高傑作だ!」と感じるのですが、改めて過去作を見るとそれはそれで最高だと思う、の繰り返し。なんと素敵なことでしょう。

 

 

本当に様々な人のおかげでここまで辿り着くことができました。

改めて皆様に感謝するとともに、ぜひ1人でも多くの方に、1曲でもお聴きいただければ幸いです。