邦秋の、ギャラリー「個と場」

宮崎在住のランチタイムミュージシャン、邦秋(くにあき)の頭の中。アイデア備忘録・雑感・お役立ち情報から創作活動(音楽・歌詞・散文詩等)の展示・解説まで幅広く。関心事:DTM・音楽・ロゴ・デザイン・教育・APPLE・効率化他

英雄の旅立ちに

旅立つあなたに
流す涙も隠して眩しいその先へ

出逢いは若葉の頃 白い羽根と一緒に
未知なる世界に触れ

力任せに頂に立ち 強い風に晒されても
何処から吹いているかは確かめず

あの日の望まなかった別れを想って
ただ叫び続ける
二度と戻ることのできない節刻まれ
また一つ暗い服に袖を通す
遺された想いを胸に抱いて
残された命を生きるだけ

心すら動かない電池切れの思い出
それでも捨てきれずに引出しに閉じ込めた

優しく打ち返す綺麗な波と
隠されていた胸の内 受けて
分かれ道のもう片方へと進み始める

新しい時代を切り拓くため
交わした契りさえ捨てて
描き直した夢に向かい進む
正しさを常に自分に問いながら
旅立つあなたに
流す涙も隠して眩しいその先へ

結局、独りよがり。

歌を歌わなくなった後の

募る思いを吐き出せる方法は見つかるかな

既に不安で

 

パラソルの影に覆われた

青いラベルのお酒でさえも

すぐに温くなっていくから

躊躇なく捨てられそうな気になる

 

朝、この空いたボトルに

ありったけの愛を込めて

あの港町を想って

海に放つよ

 

でも、それが辿り着かないこと位は解っている

結局、独りよがり。

今までもこれからも。

ありがとう、優しい世界

取り残されないはずの世界で 水面に漂う一人きり

総てに開かれし扉でさえも 届かない 陸の上

 

頼みの綱は糸よりも細く 捕まえる希望も掴めない

空のボトルを投げつけるだけの一人芝居よ

 

言葉を理解して 呼吸も違わないのに

手の届く水際の向こう

埋め尽くした空気が押し返すから

 

当たり前の風の中 歩くこともできずに

手を差し伸べてくれていた 皆もいずれ離れて

それでもなお、この陸(ばしょ)じゃ 個性と呼びたがるから

嘘のない場を求め 全て海に流すよ

 

区別と差別の区別がつかずに 無闇にずらされる境目

尖った声に寄り添った耳よ、 聞こえてますか?

 

優等生を演じて 居心地が悪くなって

自覚なく逃げ続ける人生に涙する

この優しい世界

 

いつだってそうやって 不透明な革新みたいなものを

起こそうと意図的に間違った 正義を確信させたり

純粋に平等を目指して 話すのも所詮マジョリティ

冷めた瞳で隔心だけ置いて

響きだけ良さそうな言葉には 必ずや毒がある

隠された核心見抜いて

 

斜め上がどこかさえ 見失いそうになる

空模様を読むように繊細な目を持って

抗っても越えられない高い壁があるから

綺麗事を横目に 七割の海、泳ぐよ

インディビジブル

どうしてまだ こんな場所で

何も出来ずに止まっている

 

間を埋めるカードならば

泳がすように手放している

 

似ているだけでは揃わない

すれ違いばかり繰り返し

 

叶わぬことを知りながら

そっと呟いた あの言葉

迷える旅が終わるように

どうかお願い 傍にいて

 

 

二度と治まらない あぁ

嵐の中で佇むような

夢でさえも届かぬ世界

一秒がそれ以上に長くて

 

消えぬ煙が心に残る

数字が永遠(とわ)に続くように

 

憧れの地は光だけ眩しい

それだけ遠過ぎて

ただ広げてる この両腕は

何も抱けずに今日も眠る

 

定められたこの結末よ

どうか お願い 塗り替えさせて

叶いの岬

望みの粒がひとつ、またひとつと
この手から静かな音をたてながら
零れ落ちていくから

心の部屋の天井に並べられていた
明るい灯りもあと僅かに

貝殻を拾い集め 無心で磨いて並べました
誰にも邪魔させない居場所を守るため 

白紙の思い出たちが記憶を埋め尽くしていくから
ひとり 窓を見る

二度と消えぬ痛み この胸に抱えて
傷跡隠すように 嘘を着る 

 

木犀の香りが誘う岬に今から向かいます
皆がすがる叶いの鐘 鳴らすため

向日葵に見つからぬよう太陽が海に帰りし頃に

ただ一つ願うのは誰も傷つかぬ終り
裸足になり見下ろす岸壁を

空に上る姿を思いながら

カウントダウン2023

昨日まで当たり前にあった
ものですら価値を失っている
一日の朝と夜が同じ日だと信じられない日もある

超高速のタイピングで書き換えているのは
世界の仕組みだけじゃなくて
僕たちの頭の中もなのかも?

だから今日もこの板に立って
変わる景色のウェイヴに乗ったまま
僕自身を失わぬようにひたすら前に進んでいる

 

教科書で習うことは全部、過去に築き上げた知で
それらをどこでどう生かすかは
あまりにも教わらない

愛を集めたあの青い鳥が哀れまれながら後にしたように
結局は金があれば何より強いんだと知った

だからドラゴンヘッドに籠って
歌を生み出すウェイヴの音源で
この想いがいつか芽吹いて
大きな木になるまで

順調な浮足を見て憑神
敵対心剥き出しの不満を打ち出し
良縁串刺しするなら無理矢理
遼遠の筋書き描いて抜き足
していく行き先がたとえ衰退
でもね月並みばかりの口出し
から逃げて継接ぎのまま繰り出し
晴れて振り出しに戻る初日

だから僕もいつかは変化を起こす
入念に万障お繰り合わせの上
残される者たち皆の
一人立ちを全て見届けて

だから今日もこの板に立って
変わる景色のウェイヴに乗ったまま
はぐれてしまうその日にはちゃんと伝えるよ
「ありがとう」

花のように

誰も彼も定められた時の中を生かされている
そこに意味を探しても実は何にも見つからない

太陽が出れば笑って 雨が降れば心傷み
強い風が吹けば折れないようにじっと耐える

 命を授かりし時に春が始まり
 夏になれば大人への階段を上る

生きている限り誰かに守られている 花のように
そして自分が誰かを守れたとき意味が生まれる

 

 峠を越え感じ始める秋の気配
 そして寒く静かな冬に眠りにつく

誰も彼も定められた時の中を生かされている
いつか来る枯れる日までは懸命に生きていきたい

咲き誇った花のように