邦秋の、ギャラリー「個と場」

宮崎在住のランチタイムミュージシャン、邦秋(くにあき)の頭の中。アイデア備忘録・雑感・お役立ち情報から創作活動(音楽・歌詞・散文詩等)の展示・解説まで幅広く。関心事:DTM・音楽・ロゴ・デザイン・教育・APPLE・効率化他

銀色の星と青い月

疑わなかった白夜に陽が沈んで
「永遠」の難しさを知る

最上の愛情を以て
共に過ごしたものさえ俄に旅立つ

迎えの使者たちは記憶さえ連れて行く
けれど助けてくれた手の美しさは色褪せない

煌めく命の果てに紡がれていく言葉は
溢れる感情の波 留まることを知らずに
悔やめど戻れない軌道に身を委ねて

明け方の言い訳から解放され
新しい居場所が芽生える

僅か触れ始めた明日の眩しさに
背(せな)を向けても その光は届いている

銀色の星と青い月 アゲハ蝶が舞う夜に
消え行く炎を守って 最期まで惜しんでいた
未来に目を伏せて言い聞かせた「さよなら」

 


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セイメイ

何を理解して追いかけるのか
何を望まれて尽くすのか
日常に潜むエスコートに沿えば
いつの間にか名前を失って

もう戻れない船の上でも
櫂を漕ぐなら波に逆らう方を選ぶ

この場で声明を 心を揺さぶる舞を
黙っていたら仲間が見つからない

 

やさしい言葉で嘘をつく人
偉大な背を盾に見下す人
たったひとひらの木の葉を捕まえて
森を全て否定したがる人

過去をなぞって星と名づけて
天性の瞳を持つと嘯く人

その場で誓盟を 心を鼓舞する舞を
騙されないように生きるため 
守りたいものは静迷なき生命
透明な籠から今飛び出して

 

頭の上、背中の後ろ
そこで大切な全ては動いているから

 

この場で声明を 心を動かす舞を
こだまする共感を生み出して
守るべきものは清明な性命
陽炎すら揺らめかない明日を

 

 


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弓を鳴らす

「このままじゃ終われない」
秘めていた思いを
知らない世界の中で 打ち明けてくれた

瞳には映らない時の扉の向こうで
自然も人も悲劇を産むけど

今日はいつよりも新しい。
朝日を浴び笑顔のままで
見送れるように

弓を いつまでも穢れなき歩みを
続けてほしくて
霧雨が明けていく
弓を ただ弓を鳴らして

文字の表面に感情が滲んだり
目の前にいても伝わらなかったり
喜びも悲しみも再現できるならば
幸せで埋め尽くす時もあればいい

恐怖と闘うことは
あらゆるものを暗く染め上げてしまう
風から火を守るより
その風を断ち切りたい

弓を 誰よりも満ちたる歩みを 
刻んでほしくて
澄み渡る空に向け弓を
ただ弓を鳴らす

選ばれるか景色と化すか
その繰り返しの中
海の底でもがきながら
理想の調和を得た
芳しい未来願い
全てが音になる この静寂の中 ひとり

弓を
さらなる先を目指す歩みの
幸せを願って
鬣が逆立つような
弓をただ弓を鳴らして

 


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乱反射

混沌の中も忘れられない
二度と戻れない場所がある
樹海を逃げるように飛び出して
今居るのは長い空白

歴史を紡ぎ直したい人よ
夢を見ずただ明日を見よ
目的地のない車輪のように
擦り減りながら走り続けるだけ

日差しを懐かしむ度
奈落の底の深さを知る
久しく昂れないまま
星の核へと近づいていく

遮る海さえ無いのに手も届かずに
言葉だけを泳がせて
悪い夢ならば今すぐに醒めてほしい

百年経って灰になって
広がる空の彼方に向けて
新しい風に身を任せ
思いのままに舞え

 

あの山をもう一度登りたいと
口にすることも躊躇われ 
全てが渇いた世界でひとり
きっかけだけを探している

 

届かない
宛先不明の手紙のように
光は一筋しかないのに
白い傘に覆われてぼやけてしまうよ

 

太陽の裏側に居た
あの頃よりさらに遠ざかって
眺めることしかできない
無情にも青く染められた丘

誰にも知られず願いを叶えたいのに
役割の朝がまた明ける
でもこの時間は不自由のない世界で
一秒も邪魔されないように

亜空間に飛び込んで
見渡せる砂かき集め
子供みたいに枝を持って
想いを書き殴って

永遠だって限りがあって
星さえ八千代には続かないさ
どうせ波が掻き消していくから
思いのままに刻めよ

 


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【歌い方】

真綿は柔らかかった
墓場は温かだった
泡なら混ざらなかった
あなたは あなたは

刀は刺さらなかった
仲間はバラバラだった
打破なら叶わなかった
あなたは あなたは

狭間は跨がなかった
七夕は儚かった
若さは浅はかだった
あなたは あなたは

痣なら晒さなかった
花なら攫わなかった
雨傘は差さなかった
あなたは あなたは

宝は構わなかった
さらさら学ばなかった
頭じゃ解らなかった
あなたは あなたは

川なら渡らなかった
坂なら上がらなかった
罠ならはまらなかった
あなたは あなたは

長かった新たな朝 体は逆さまなまま
鮮やかな「さらば」放った
違わなかった「まさか」

裸は飾らなかった
肩から柔らかな肌が露わ
ただただ性は抗わなかった

あなたは悩まなかった
あなたは正さなかった
あなたは変わらなかった
あなたは あなたは

フィリア

静か過ぎる夜中 ふいに目覚め
抱いた胸騒ぎ 開ける扉

肌を切る風 戻れぬは覚悟の上
飛び出して、ひとり
目的地は知らないけど

思い込みなら 笑って忘れ
また日常に 戻れば良いから

止めない祈り 今は予感が
振り払えるまで 走っていく

霧が晴れても 消せない心の靄
正気保って ひとり
まだ答えは急がない

力が込もる鞭を握った
左手の汗 乾かないまま
迷うことなく進み続ける
「その瞬間」を迎えるまで

この身を削り 行き着いたのは
見渡す限り 続く王国
その入口に構えし者と
通じ合えたのは言葉だけ

そこから先に進むことは
もはや意味がないと解った
それでも最後の輝きを放ち
君と再び出会う

エターナル・ラヴ

蜘蛛の巣の上は名前を捨てて
暴力性を手にした生き物で溢れている
自分に出来ないことは恥じぬまま
無意味に冷たい高みの見物ばかり

他人が纏わせる幻想のヴェールから
抜け出せずに苦しんできたけど

涙を隠して 相手にしない素振りで
歴史から学び講ずべき術を得たなら
躊躇いを脱ぎ捨て その音響かせたら
批評家は滅び構図は今塗り替わる

形のない言葉 たった一つだけでも
呼吸を奪うほど人を傷つけ得る

ようやく鳴らせた反逆のベル
鈍い心にも届く歌なぞない

涙を隠して 相手にしない素振りで
歴史から学び講ずべき術を得たなら
躊躇いを脱ぎ捨て その音響かせたら
批評家は滅び構図は今塗り替わる

ありのままでいることの良さ、共感できたのに
その歌声は気に入らないなんてそんな矛盾
さらりとなびかせる人達の中、生きるため自衛
多様と画一は紙一重だから気をつけて

涙を隠して 相手にしない素振りで
歴史から学び講ずべき術を得たなら
躊躇いを脱ぎ捨て その音響かせたら
批評家は滅び構図は今塗り替わる

温かな心で歌い続けて