20190205 魅力的なまちづくりとは(序章)
「県外就職 給与を重視」
2019年1月27日(日)付宮崎日日新聞の一面に、こんな見出しの大きな記事が載っていました。
宮崎県の若者の県外流出については、かねてから大きな課題として捉えられています。
その対策として、宮崎県内(以下、「県内」)高校生向けの県内企業紹介ウェブサイトや冊子の作成、県民総ぐるみ教育推進活動等、様々な施策が行われています。
確かに人口流出の懸念はあるにせよ、県内出身者が一度も宮崎県外(以下、「県外」)生活を経験せずにいるのが果たしていいことなのかどうかは疑問が残るところです。
とはいえ人口が増えることで、より活気が生まれ、より税収が増え、より豊かなまちになることが望ましいことであるのは間違いないでしょう。
すると、方向性としては、「宮崎に留まりたくなるまちづくり」ではなく「県外にはばたいても帰ってきたいと思えるまち」そして「県外の人が羨ましがるまちづくり」が望ましいのではないかと考えています。
そして、冒頭に紹介した記事による、若者意識調査の結果、働きたい場所として挙げられる条件というのが、「人が増えるまちづくり」の直接的もしくは間接的なヒントになるでしょう。
県外と回答した人の理由は以下の通りだったそうです。
1.県外の方が給与水準が高い 34.7%
2.公共交通網が整備され、利便性が高い 27.5%
3.文化・商業施設などが充実している 25.0%
4.出身地である県外に就職したい 22.4%
5.就職したい業種・業務内容の企業がある 20.8%
ちなみに「宮崎の土地や雰囲気が好きではない」という回答は、意外と低く(失礼?) 5.1%にとどまったとの事。
これらの回答を参考にしつつ、長期的に取り組めること・短期的に取り組めること・この回答に挙がっていない施策、という3つのアプローチでまちづくりを考えていった方がいいと思っています。
給与水準・交通網・文化商業施設は、短期的に取り組めるものではありません。他の施策が功を奏し、経済が活性化した時に達成され始めるものと思います。
(物価の安さやドライブが楽しめる県など、謳い方次第ではポジティブな方へ進めることもできるでしょう =短期的取組)
そして、最も肝要なのは宮崎が他県にない圧倒的な魅力を育てていくことです。
上に挙げた県外に行きたい理由については、どれだけ対抗しても東京に敵わないことは明白。
であれば、特定の分野で都会(そして、他県)を圧倒的に寄せ付けない魅力で一点突破をするのです。
それが、子育て面なのか、音楽などの文化理解なのか、食の充実なのか、その答えはまだ今の私には見いだせていませんが、県外の方が「それ」だけを理由に宮崎への移住を決断したくなるような特徴を育てていきたいものです。
さらに、そのまちづくりの視点は、もう少しミーハー路線でもいいのかな、と思っています。 何といっても人の行動の原動力は、欲なんですから。
…と、そんなことを最近は常々考えております。
年末に掲げた、新たな労務管理方法の模索と併せて、この件も時間をかけて取り組んでいきたい課題です。
仲間を募りながら。