20191016 シングル曲とかアルバム曲とか
胸を張って言えるレベルではありませんが、細々と音楽制作を進めている私。
その進め方として、アルバム(ミニアルバム、EP)という「楽曲の集合体」の完成を以て一つの区切りとしています。
2018年を例にとると、それまで制作した6曲を、「多分、これが真実」というEPとして括り、ジャケットや歌詞カードまで作り上げたところで「完成」としました。
その制作過程においては、一曲一曲の個性が少しでも活きるように、そして一枚の作品として通して聴いた時に少しでも飽きないよう曲順にも拘る等して、そのトータルバランスを重要視してきたつもりです。
しかし、近年の音楽事情を象徴する話題が、次の記事で取り上げられていました。
リンクが切れた時のためにこの記事を要約すると、B'zの楽曲「兵、走る」(21st Album「NEW LOVE」収録、2019年6月配信開始)について、「iTunes」で主に50~100位台を推移していたが、ラグビーW杯の盛り上がりとともに同曲だけをダウンロードする人が急増し、同年10月7日には3位となった、というもの。
この「兵、走る」はシングルではないため、従来の発想であればアルバム「NEW LOVE」を購入しないと聴けなかった一曲だったはずです。
しかし、配信によりアルバム曲も一曲ずつ購入できるこの時代においては、聴きたい曲だけをダウンロードすることも当然可能となります。
つまり、アルバムのトータルバランスを考える文化、そしてシングルという立ち位置そのものの意義がかなり希薄化していると言えるでしょう。
このように考えると、「自分の作った複数の楽曲を、自分が思い描いた曲順通りに並べ、自分の理想とする世界観を聴衆に伝える方法」は、もはやライブに足を運んでもらうことでしか実現できなくなっているのかもしれません。