最近、久しぶりにスピッツをよく聴いているのですが、自分が作成した十数曲のプレイリストの中で、何曲かの歌詞に共通する単語が耳に残りました。
それは、「桃」。
もしかしたら草野正宗さんが書く詞には桃が多く登場するのかもしれない…と思い、調べてみました。
せっかくなのでここでリリース順にご紹介したいと思います。
まず、一番懐かしい曲から。
桃の香りがして幸せ過ぎる窓から 投げ捨てたハイヒール
-グラスホッパー(1995,『ハチミツ』より)
ライブでも盛り上がるアップチューン。
スピッツの所属事務所名も「Grass Hopper」である(ロードアンドスカイから2001年に分社化)ことから、グラスホッパーという名前にも愛着があるのかもしれません。
続いての桃ソング。
今 彗星 はかない闇の心に そっと火をつける弾丸 桃缶 みんな抱えて 宙を駆け下りる
-ほうき星(1996,『インディゴ地平線』より)
アルバムを全体として独特の音色をもつ『インディゴ地平線』の中でも、特に異色な存在感を放つ(と個人的に感じる)ほうき星。
この曲は、スピッツ史上初めて、ベースの田村明浩さんが作曲を手掛けています。
続くアルバムでも桃ソング。
切ない気持ち 抱えて笑い出したのはおとぎの国も 桃色に染まる頃
-センチメンタル(1998,『フェイクファー』より)
1998年リリースの『フェイクファー』。これは、私が初めて発売日当日に入手したスピッツのアルバムです。
序曲「エトランゼ」に続く、ギターのリフが印象的なこの作品は、アルバムの雰囲気を象徴する一曲といえるでしょう。
「忘れたふりの全てを捧げる 春の華」というフレーズを含め、圧倒的な歌詞のセンスが光ります。
桃ソングは、しばらくお休みして2005年に復活。
海鳥の声を背に 桃色の空を見る 何ひとつ残さずに 飛びたい
-甘ったれクリーチャー(2005,『スーベニア』より)
バンドサウンドにしてEDMのような体が疼き出すグルーヴ感のある作品。
「甘えたい」というメッセージと、重厚な演奏のギャップが大好きな一曲です。
その次の桃ソングは、なんとタイトルから「桃」。
リリースから既に10年以上経過する本作ですが、本稿執筆時点で確認できる最新の桃ソングとなっています。
もしかしたら、桃への想いに区切りをつけたのかもしれません。(絶対そんなことはない)
切れた電球を今 取り替えれば明るく桃の唇 初めて色になる
-桃(2007,『さざなみCD』より)
この曲は、(私の思う)スピッツの伝家の宝刀である、Aメロ+サビのシンプルな構成。
透明感のあるサウンドと優しくも切なさを感じるメロディに、草野さんの声が絶妙にマッチして胸がキュンとします。
ギタリスト三輪テツヤさんのアルペジオも全開で、「これぞスピッツ」という作品ではないでしょうか。
本稿執筆時点で既に300曲を超える作品を世に送り出しているスピッツ。
その中から、十数曲だけを抜粋したプレイリストの中で「桃」という言葉が多く見つかったので、大量の桃作品が見つかることを期待していたのですが、蓋を開けてみると見つかったのは以上5曲。
どうやら、偶然にも私が多くの桃作品を引き当てていただけだったようです。