1. 六時の冬空 feat. NAOYA
前作が、自身の音楽ポリシーを歌った「孤高につき、光を生み、」による静かな幕開けだったので、今回は勢いのある曲からスタートしたいという思いがありました。
よりロックな曲に仕上がるよう、メロディの構想段階ではフルサイズで仮の英語詞(仮タイトル: No Words I Can Say)を当てており、そこから別途日本語詞を綴っていったのですが、この手順が自分の首を絞めてしまうことに。
英語向けのメロディに対して日本語を乗せるのに苦労したのです。
ただ、そうして苦しい思いをしつつも、膨大な量の言葉を当てはめては見送って、響きに合うものを厳選する過程の中でテーマが固まっていき、そこから表現を膨らませていた結果、タイトルを含め納得のいく作品に仕上げることができました。
ギターは、7030ナオミオのNAOYAくんです。私が作ったベースラインに対し、この曲のテーマである「両向性」がギターで表現されており、歌詞に寄り添ってくれた姿勢に感謝しています。
2. 娯楽の園
ヘビーでアダルティな曲を目指して制作。ただ、アダルティさがキャラには合わない(と思っている)ので、皆さんがご存じの夢の国を舞台に歌詞を描いてみました。
当初は、ギタリストとのコラボレーションを検討していましたが、スケジュールの都合上、とりあえず今回は自身の打ち込みによる演奏に挑戦。打ち込みのエレキギターの音色はどうしても貧相になりがちなのですが、今回はソフトウェア音源としてのエレキギターは用いず、別の楽器音源で演奏してエレキギターのエフェクタを通すことで、面白いロック感が出せたと思います。
その点では実験的な作品となりました。
3. 変わりたい、変わりたくない feat. NAOYA
当初、「ギターが不得手な私でもアコギをかき鳴らして歌える一曲を持とう」というコンセプトで作り始めたのですが、結果として、息継ぎのポイントが少なく、ギターを弾く余裕すらないほど歌唱に集中しなければならない作品になってしまいました。
歌詞は、「生きているとそういうこともあるよね、そういう人もいるよね」という程度にお読み頂ければ。
内容もさることながら、メロディラインに溶け込んだ譜割りが気に入っている作品ですので、むしろその辺りを楽しんでくださると幸いです。
こちらもギターはNAOYAくん。
エレキギターとアコースティックギターで何種類もの音を奏でてくれていますが、Bメロのエレキギターのアレンジを聴いて、彼のギターがまるで歌っているように感じました。
4. フェイド
自転車で走っている時にBメロのメロディラインがふと思いついたことから膨らませていきました。
最近は、Garagebandでリズムとベースラインから曲作りを進めますが、この曲は約7年前、ギターのパワーコードで作曲していた頃のもので、当時弾いていたギターのデータを引っ張り出して、ミックスしました。
こうしたギター中心のミドルチューンは、個人的に好みの曲調なので、今後も作っていきたいと思っています。
5. 旗を振りかざせ feat. まさき
世の中には辛いことがたくさんあります。
その中でも、どうしても許してはいけないのが「いじめ」。
卑劣な手口、卑怯な手段、守らない約束、理不尽な主張…様々な酷いことのために涙を流す人が多くいらっしゃいます。
そんな方々に対する、「やられっぱなしじゃなくて、たまには自分の本音をぶつけてやれよ」という応援ソングです。
曲調としては、「レトロなロック」を意識。
1番 A⇒B⇒サビ⇒2番A⇒B⇒サビ⇒C⇒サビ、というJ-popの一般的な展開の曲となりましたが、私のレパートリーの中ではむしろ珍しい構成です。
ギターは、メイソウパレット/オルスバンドの、まさきくんにお願いしました。リズムとベースラインができた時から、彼のギタープレイが頭に浮かんでいたからです。
久しぶりの共同作業でしたが、曲のイメージにぴったりのギターアレンジに仕上げてくれました。
6. ラブラドール feat. ハネジロー
今更ながら、バンド「メイソウパレット」のテーマソングとして作ってみました。
この年齢でこの曲調はもはやNGかもしれませんが、ライブで観客の皆さんが声を出せるような曲を作ってみたいと思い、挑戦してみました。
ギターは、ハネジローくん。
早いBPMの曲に対し正確な演奏をしてくれました。メイソウパレットの頃からそのギターテクニックは目を見張るものがありましたが、令和に突入してさらに磨きがかかっています。是非、その辺をお楽しみください。
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以上、ようやく完成した2枚目のEPについて思いつくままにご紹介させていただきました。
なお、前作「多分、これが真実」に続き、今回もカバーイラストを手掛けてくれたのは、イラストレータのYHiRO氏。
「デモンストレイトEP」は、以下のダブルミーニングになっているのですが、その意図をYHiRO流に解釈して描いてくれました。
【デモンストレイトの意味】
① Demonstrate:いずれバンド活動を復活した時に、正式に完成させたい「デモ」曲集としてのEP
② Demon Straight:自分の中の「悪」(≒毒)を直球で表しているEP。
なお、このオーダーに対してYHiRO氏は、2パターンのイラストを制作してくれました。
今回、EPのカバーイラストとして採用したのは「第2案」の方だったのですが、これは「デモンストレイト」とTr.1「六時の冬空」の世界観を参考に、KISSの"ROCK'N'ROLL OVER"をオマージュした作品となっております。
前作に比べ、よりロックな楽曲が揃ったこのEPに弾みをつけてくれます。
一方、イラスト「第1案」の方も素晴らしい出来上がりだったため、こちらは令和元年幕開けと同時に各種媒体における私のプロフィール画像として使用させていただくことといたしました。
私とお会いしたことがある方の何名が、私のこの「Demon」な側面にお気づき頂いているでしょうか。
YHiRO氏のイラストは、両作とも細かな個所まで丁寧に描かれた作品です。ぜひじっくりとご覧ください。
今回も、様々な方のご協力のおかげで、完成に至った「デモンストレイトEP」。
音源について、プロフェッショナルな方にとっては技術的に未熟な個所が多々あると思いますが、温かな目と耳と心でお楽しみいただけましたら幸いです。