先日、B'zのアルバム「NEW LOVE」について語られているブログ記事を拝見し、私も触発されてこのアルバムを聴いて感じていたことを記してみたいと思います。
このアルバムを一言で表すならば、「30周年を超え、成熟と、さらなる進化を見せつけたアルバム」であると感じました。
具体的に述べると、「これまでチャレンジしてきた様々な曲のスタイルを、完全に自分たちの体に染み込ませて、自然体で良曲に仕上げている」点に、成熟とその先の進化を感じた、ということです。
(偉そうな物言いに聞こえますが、他に良い書き方が見つからず。ご了承ください)
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B'zは、これまでの歴史の中で、何度も脱皮を繰り返してきました。
デビュー当時はデジタルビート中心だったのが、「RISKY」にてロックテイストを取り入れ始め、続く「IN THE LIFE」「RUN」と、作品を追うごとにアナログ感が増していきます。
「The 7th Blues」で、一気にブルースに走ったかと思いきや、「LOOSE」ではポップスにも近い大衆向けの楽曲が並び、そこから「SURVIVE」「Brotherhood」「ELEVEN」とヘヴィネスが加速。
その後、サウンド・歌詞共に爽やかな楽曲が目白押しの「GREEN」に至ります。
この一連の"挑戦"の中には、それ以前の彼らとのギャップに、ファンを戸惑わせたことがあったでしょう。
勿論、その後もジャズやラテン等、様々なジャンルをモチーフに楽曲が作られてきたわけですが、アルバムの雰囲気全体を支配する楽曲の変化という点では、「GREEN」までが一つの大きな波であったように感じています。
さて、「NEW LOVE」に話を戻します。
個人的には、この一枚を聴きながら、これまでのB'zの歴史が何度も思い起こされる場面がありました。
冒頭曲「マイニューラブ」のパーカッションからは「BLOWIN'」を、「WOLF」のイントロの雰囲気やホーンセクションからは「GIMME YOUR LOVE」を想起。
「兵、走る」のサビの最後"TRY"のレスポンスや、「SICK」の最後のシャウトは90年代初期~中期のテイストを感じます。
「デウス」の爽やかなサビは「GREEN」に収録されていそうだな、などと思ったり、「Da La Da Da」からは「ELEVEN」のヘヴィネスが、そして「Rain & Dream」ではブルースに傾倒していた頃が思い出されたり。
(全て個人の感想なので、共感していただけないかもしれませんが…)
私にとっては、「NEW LOVE」を通して、(初期のダンスビートを除く)これまでのB'zの歴史を満喫することが出来たと同時に、決して過去の焼き直しではない、新しさを感じることが出来ました。
また、私は「NEW LOVE」という作品は、「とても聴きやすいアルバムである」と考えています。
そしてそれは、アルバムの中でも存在感の大きい「Da La Da Da」と「Rain & Dream」によるものと分析します。
私が思う、これまでのアルバムでいう"存在感の大きい"曲とは、例えば、「コブシヲニギレ」(Al「ELEVEN」)や「雨だれぶるーず」(Al「MONSTER」)。
ひと際ヘビーなこれらの曲は、その展開も重く、一曲としてどっしりとした質感を放っていました。
それに比べて、今回の「Da La Da Da」「Rain & Dream」は、Aメロ→Bメロ→サビへの流れが、曲の雰囲気に反していい意味であっさりとしており、展開が早く繰り広げられています。
ここに、存在感が大きくとも、アルバムの中で主張が強過ぎない仕上がりとなっていることにより、一枚を通しての"聴きやすさ"が生み出されたのではないか、ということです。
素人ながら、語ると止まらない作品へのレビュー。
お読みいただいている皆さんに迷惑にならない程度に、また執筆させていただこうと思います。
■ ちなみに前回のアルバムレビュー記事 kuniaki.hatenablog.com