邦秋の、ギャラリー「個と場」

宮崎在住のランチタイムミュージシャン、邦秋(くにあき)の頭の中。アイデア備忘録・雑感・お役立ち情報から創作活動(音楽・歌詞・散文詩等)の展示・解説まで幅広く。関心事:DTM・音楽・ロゴ・デザイン・教育・APPLE・効率化他

音楽談義 #01 「良い歌詞の定義」2/3

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詩と歌詞の違い=歌詞は歌ありき

邦秋(以下、邦): この宿題(「良い歌詞とは何か」)をもらってから、かなり色々考えてね。少なくとも今まで自分が「良い歌詞」とそうでない歌詞を判断してきた軸は、単なる主観や好みだったんだなって気づいたよ。まずは、素晴らしいきっかけをくれてありがとう(笑)

シゲ(以下、シ): 心が穏やかになったね(笑)

邦: そうそう。で、考えを突き詰めた結果、そもそも「詩」と「歌詞」が分かれているのは何でだろう?という疑問に行き着いてね。Wikipediaによると、詩は「言語の表面的な意味(だけ)ではなく美学的・喚起的な性質を用いて表現される文学の一形式。 (中略)多くは韻文で一定の形式とリズムを持つが、例外もある」とあるのよ。それに引き換え、歌詞は歌ありきだな、と。

シ: そうだよね。良い歌詞を紹介するっていうブログ記事の中で、歌詞だけを掲載してもナンセンスじゃない?って最近になって思い始めてた。「歌がないのに歌詞だけを載せてもなぁ…」っていう。

邦: まさしくそれ! で、自分なりに導き出した今回の結論としては、「歌との一体感があるかどうか」という一点が、良い歌詞かどうかの100%の評価軸でいいんじゃないかな、と。

楽曲やメロディに言葉が自然と乗っているかどうか、聴いていて心地よいか、歌っていて気持ちいいか、歌詞だけ浮いていないか。詩ではない「歌詞」というジャンルがある以上、歌詞の良し悪しを測る評価軸はここだけかなって気がしてきたのよ。

シ: 思ったよりシンプルな答を持ってきたね。でも、その中でもメッセージ性がある歌詞の方がより良くない?

邦: メッセージ性があるか、とか、共感できるかどうか、とかは歌詞を作る要素の一つであって、それが「良い歌詞」かどうかの評価軸には入れなくていいんじゃないかって思えてきてさ。例えば、「良い漫才」の評価軸は何かって言ったら、爆笑を取れるかどうかじゃない?

シ: なるほど。爆笑問題の時事ネタ、サンドウィッチマンの日常風景を切り抜いたネタ、ナイツの言い間違いネタ、NON STYLEの小ボケを連発するネタ…それぞれ切り口や手法はバラバラだけど、全て面白いもんね。

邦: その中で「爆笑問題の時事ネタが好き」というのは好みの話、もしくは客観的であってもそれは「作り方」の上手さという部分的な評価ではあるけど、「良い」かどうかを決定づけるものではないかな、と。

シ: そうだとすると、邦くんが思う「良い歌詞」って例えばどんな歌?

邦: これも色々考えたんだけど、SMAPの「SHAKE」や藤井隆さんの「ナンダカンダ」はすごいなって改めて思った。

シ: おぉ、歌詞に意味を求めてきた我々にとって意外なチョイス。

邦: 「SHAKE」なんて、サビの「タータータタータ タータタータター」っていうメロディに対して、「シェイクシェイクブギーな胸騒ぎ」って完璧だなと思ってて。数多ある言葉の選択肢から、よくもここまで「バシッ」とはまる言葉を当てることができたな、と。リズム的にも、曲の雰囲気との一体感的にもね。

ZARD、TK、森高千里…次々思い出す良い歌詞たち

シ: 確かにね。曲との一体感といえば、FIELD OF VIEWの「突然」ってあるじゃない? 坂井和泉さんが作詞だけど、最近あの歌詞の凄さに気づいたよ。

邦: そうなの?

シ: あの歌、前奏も無くいきなり「突然 君からの手紙」から始まるじゃない。あれ、何でかわかる? 突然、だからなんだよ。

邦: わーっ! すごい!!

シ: でしょ。これこそ一体感だよね。さらに、「今すぐ逢いに行くよ」って言った後「カセットのボリューム上げた」という一言で車に乗り込んで走り始めたことを描写したり…坂井さんはすごいよ。

邦: そこは、②表現力の評価だね。素晴らしいなー。さすが、歌詞を読み込む男、シゲだね。

シ: 坂井さんといえば、「負けないで」のサビで「どんなに離れてても」ってあるじゃない?

「離れてても」の「な」で音のピークがあるわけだけど、作曲者の織田哲郎さんとしては、あのピークから始まる言葉をあててほしかったらしい。

邦: 言葉の二文字目でピークになることを想定してなかったんだ。「果てしなく離れても」とかにして、「離れても」の「は」にピークを置いてほしかったって感じかな。作曲者も、自分では歌詞を書かないものの、ぼんやりイメージする言葉の当て方があるんだね。

シ: そういうことだね。

邦: それにしても、この一点の評価軸で見るとさ、今まで好きじゃなかった西野カナの「会いたくて 会いたくて 震える」っていうフレーズも、世間で受け入れられた理由はわかる気がしてきたよ。好きになったかどうかは別にして。

シ: そう! それが今回の趣旨で、主観と評価は別なんだよね。GReeeeNの「キセキ」の「明日、今日よりも好きになれる」っていう歌い出しも、曲の幕開けとしては抜群に良いんだと思うよ。俺も興味はないんだけど(笑)

邦: その点では、小室哲哉さんはやっぱり天才だよね。

「寒い夜だから」「愛しさと切なさと心強さと」「Can you celebrate?」…全部メロディ込みで浸透してるもん。「Can you celebrate?」なんて、英語としてどうなの?と思ってたけど、歌詞としてはこれがベストアンサーなんだよね。

シ: 小室さんは、Can you celebrate?のフレーズのメロディが浮かんだ時に、この言葉しかないって思ったらしいよ。

邦: シゲは何でも知ってるなー。

シ: 森高千里さんの「私がオバサンになっても」とか「気分爽快」も、詩としてはなかなか生み出しづらそうな作品だよね。

邦: それなのに、歌と一緒にその歌詞が登場すると、化学反応が起きて、歌詞も含めて皆に愛される作品になってる。

シ: 歌詞の一体感といえば、曲との相性は勿論、アーティストの雰囲気との一体感という観点もあるよ。

例えば、黒夢の「BEAMS」はオシャレなんだけど、意外と2番の歌詞はあどけなさというか情けなさがあるよね。反応してない?、Worst Communication、抜け出たりいいね、君が泣いた、重い夜 僕のせい、とか。「お、喧嘩しちゃったのか~?」みたいな(笑)

それでもシュッとした曲に聴こえるのは、バンドイメージや歌い方を始め、もう「黒夢という空気」が出来ていて、全てで一体感を生み出せているからなんだろうね。

邦: それも含めて、やっぱり、歌詞は起こされた文字だけを見て味わったり評価されたりするべきものではないことが分かるね。

シ: L’Arc~en~Cielの「winter fall」も、「窓辺に置かれたガラス細工」「透明な雪の結晶」はhydeが歌うからこそ、特別に綺麗な情景に見えてくるし。Mr.Childrenの楽曲でこの言葉が出てきたら、いい意味でもう少しチープな、味のある感じになりそうじゃない?

邦: 演歌歌手がこの歌詞を歌ったらただの小樽の歌に聴こえちゃうもんね(笑)

シ: うわ、ご当地ソングだ(笑)

 

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音楽談義 #01 「良い歌詞の定義」1/3

これは、本ブログ管理人である邦秋と、シゲ氏(Real Hiphop Neo Japan)の楽しい会話を文字に起こしたいという邦秋の願いを形にしたものです。緩くも深そうな話をお楽しみください。

 

[対談日:2020/06/14]

 

客観的に「良い歌詞」とは

邦秋(以下、邦): それにしても仕事以外で事前に議題、というか宿題を与えられたのは初めてだな。

シゲ(以下、シ): ま、俺も誰にでもそういうことをしてるわけではないよ(笑)

邦: だろうね(笑) で、今日ウチらが会うにあたって、事前にもらった宿題が「良い歌詞の定義とは」「良い歌詞の曲とは」を考えてくるように、とのことだったんだけど、なぜ今このテーマを?

シ: 俺の周りにいる音楽を語れる仲間はみんな演奏する側の人間で、歌詞に注目する人たちじゃなかったんだけど、最近彼らから歌詞好きの俺に対して「何か良い歌詞の歌を教えてよ」ってリクエストがあって。

それに対して何を教えればいいんだろうって意外と迷っちゃって。

邦: 確かに案外難しいリクエストかもね。

シ: 俺も今まで自分なりに歌詞について色々と考えてきたんだけど、自分の好き嫌いではなく、「客観的な評価としての『良い歌詞』」っていう視点はノーマークで。だから、日頃から歌詞を書いてる邦くんにも話を聞こうかな、と。

邦: 確かにこの宿題を受けてから悩んだよね。ひとまず、シゲの中での考察はどこまで進んだの?

シ: まず、歌詞の良さの決める要素は次の3つじゃないかと思って。

 ①哲学・切り口

 ②表現力

 ③自然な譜割り・馴染み

 

③の「自然な譜割り・馴染み」については、邦くんが力説してくれて初めて注目し始めたことだけど。

邦: 曲が呼んでいる歌詞を書けているかどうかっていうね。その重要性が伝わって良かった(笑)

シ: あとは、サブ的な要素としてタイトルも大事かな。例えば、SIAM SHADEは、曲を作るDAITAさんが栄喜さんの書く歌詞をあまり気に入ってなかった、だけどヒット曲が出ちゃったっていうことがあって。

邦: それは何だか素直に喜べない成功だね。

シ: でも、俺は「1/3の純情な感情」ってタイトルは、確かにスタイリッシュではないものの、人々の目を惹くという点で良い役割を果たしていると思うわけ。

邦: 1/3っていう表記だったり、韻を踏んでたりして、印象には残りやすいよね。

シ: ところで、ウェブで調べたところ、歌詞の面で褒められているのは野田洋次郎さん(RADWlMPS)と草野正宗さん(SPlTZ)。この二人、書く言葉のタイプは全く違うけどね。ちなみに、俺にとって、野田洋次郎さんや藤原基央さん(BUMP OF CHICKEN)の作品は、歌詞として一篇一篇が長過ぎるな、とは思っている派ではある(笑)

邦: RADWIMPSBUMP OF CHICKENは、哲学的な歌を発信しているイメージがあるね。

シ: 個人的には、先の3つの要素を考えた時、JUDY AND MARYの歌詞は秀逸だと思うよ。

メジャーどころでいうと「Over Drive」とか「そばかす」とか。

邦: お、その心は?

シ: この2曲は、楽曲に勢いがあって音も激しい感じの中で、歌詞もそのグルーヴにちゃんと乗りつつも、切なさがあるのよ。「あなたはいつも泣いてるように笑ってた」(Over Drive)とか、「もっと遠くまでいっしょにゆけたら、ねぇ」って言いながらオチは「あの人の笑顔も思い出せないの」(そばかす)だったり。

邦: なるほど。綺麗なまとまりの中に情緒感も含んでて素晴らしい歌詞だね。

シ: 「良い歌詞」について、この3つの観点で見たいってところまでは辿り着いたんだけど、まだ答じゃない気がするんだよね。

 

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20200414 星野源さんの「うちで踊ろう」をめぐる滑稽な騒ぎ

星野源さんがアップし、コラボを呼びかけた動画「うちで踊ろう」に、安倍首相も参加した件でネットが盛り上がっている件について。

 

本題に入る前に、前提として私見を申し上げると、今回安倍首相がアップした動画は、確かに閲覧者を幸せにするにはほど遠い作品だと感じています。

ただ、安倍首相が、この企画をご存じで、自分で編集し、動画をアップできる状況にあったかと言えばそんなはずはないかと。

むしろ、首相の側近が最近のネット上の流行を察知した上で、「これに参加すると国民からの支持が得られる」などと首相に助言し、作品を制作した方がいたのだろうと推察します。

その方(かた)が、炎上させる意図をもって投稿したなら内部の敵であると言わざるを得ませんし、心から国民に喜んでもらいたいと思って作られたなら、そんなセンスゼロな方は二度と広報活動に関わらせない方がよいでしょう。

 

さて、本題です。

冒頭に述べた本件のネットでの盛り上がりの件なのですが、皆さんの感情の矛先がよくわからない方向に向かっているので、ここで晒しておきます。

どうやら、安倍首相の投稿に関連して、星野さんがインスタグラムのストーリーに以下の画像が投稿されたことで、様々な反応が起きているようです。

f:id:t92dam:20200414144913p:plain

 

 

そして、その驚くべき反応が以下にまとめられていました。

togetter.com

 

このまとめを掻い摘むと、こんな感じ。

 

「はっきり言えよ」「黙っていると伝わらない、誤解される」「星野源を嫌いになる」そんな空気が漂っています。

 

では、この方々は星野さんに対して、何を「黙ってないで」「はっきり」言ってほしいのか。

インターネット上に、素材として動画をアップした以上、誰がどのように加工するかは相手に委ねているはずです。

そして、現時点ではそれらの加工一つひとつが良かったとも悪かったとも評価をする場もなく、今回の安倍首相の動画についても、星野さんが拒否を望むかどうかは星野さん以外誰も知る由のないこと。

(勝手な予測ですが、星野さんは騒動を受けてストーリーにて経緯・状況は説明したものの、この動画に対してはあまり関心がないのではないかと思っています。なので、「逃げた」わけでもないのかな、と。)

 

その答えがどちらかなのかも判らずに「誤解のないよう」「はっきり言え」等と外野が炊き付けるのは、「私の大好きな星野さんも、絶対に私と同じ気持ちに違いない」という思い込みによる暴走でしかありません。

そしてその「同じ気持ち」とは、(私の思い通りに)政権を批判してほしい・(僕の意に反むくから)政権を支持してほしくない…そんなところでしょう。

結局、自分の理想の星野源像を星野さんに押し付けているまでです。

 

ちなみに、外野の暴走はこんな発言まで生み出しています。

→安倍首相による動画の使用がOKなのか嫌なのかをはっきりさせないと「ダメ」だと、何の権限をもってこの主は言っているのでしょうか。。。

 

 →そんな局面には一切なっていません(笑)。

 

結構、ツッコミどころ満載の(滑稽な)勘違いツイートがさく裂しています。

 

「星野さんはコラボの素材を挙げた、首相(陣営)はそれに対してセンスのない動画でコラボしてしまった」
この2点を超える意味はないはずです。

 

この一連の騒ぎを見ると、ファンが好きなアーティストに自分の理想を押し付け過ぎることも、ただの外野が偉そうな評論家顔をすることも、恥ずかしいことだな、と感じてしまいます。

 

私自身も気を付けなければ。

鍵の数で探すコード表のご提案

音楽を制作しつつも、音楽理論がどうしても頭に入らない私。

でも、コードを使いこなせると、楽曲が持つ表現力の豊かさが幅広くなることも理解しています。

しかし、どの教材を見ても、専門用語が並び(当然ですが)、途中からこんがらがってしまうのです。

 

そこで、ルート音から、ピアノでいうところの何鍵、ギターでは何フレットずつ上を鳴らせば、コードになるのかということを表にしてみました。

音の高低差を表す際の言葉として、一度・半音・全音・長音程・短音程等様々ありますが、とりあえずそれらを抜きにして、以下の説明は先に登場した鍵盤の数の単位「鍵」で話を進めようと思います。

 

カウントの仕方は度と同じように、スタートの音自身を一鍵、隣の音が二鍵というように数えたいと思います。

例えば、Cが一鍵の場合、C#は二鍵。Eが一鍵の場合、Fが二鍵といった具合です。

 

そして、作成した表が次の通りになります。

 

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コード鍵表

この数字は、一番左にあたるルート音を基準に、辿り着いた各音から何鍵ずつ上がるかを示しています。

つまり、Cメジャー(CM)でいくと、

Mは「5・4」とあるので、

「C」、Cの五鍵上の「E」、Eの四鍵上の「G」となり、「C・E・G」となります。

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Cメジャーの「4・5」の見方



ちなみに、ルート音Cにおけるバリエーションは次の通りです。

 

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Cのバリエーション


音楽理論が分かっていらっしゃる方にとっては逆に難解な表に思われるでしょうし、その理論の理解を遠ざけてしまう可能性があることも察してはおります。

しかし、コードの再現を身近にするツールとして、全く無駄なものとも言い切れないと信じています。

なお、いくつかの音でしか検証していないので、表としては万全でないのかもしれません。

誤っていた場合でもいかなる責任も負いかねますので予めご了承ください。むしろ、ブラッシュアップに向けてご意見をいただけると幸いです。

20200329 ASKAさんの「憲兵も王様も居ない城」を想う

2020年3月20日にニューアルバム「Breath of Bless」をリリースしたASKAさん。

良曲揃いの中、私は圧倒的に「青い海になる」という曲に惚れ込んでいるのですが、今日は別の曲の話題を。

 

このアルバムには2018年に6ヶ月連続で配信した楽曲も収録されています。

その6曲の中でも、オープニングを飾る「憲兵も王様も居ない城」は、2018年7月25日にシングル配信されていたものです。

www.e-onkyo.com

 

当時この歌詞を初めて目にした時と今回改めて読んだ時で、その見え方が随分変わっていたことに気がつきました。

2018年7月、あの頃にこの歌詞の真意を掴んでおけば、いつかはASKAさんがCHAGE and ASKAの脱退することも予期できていたのだな、と。

 

乗せ換えろよエンジンを 動かなくなるその前に 運命です 寿命ですって 誰にも言わせないように

憲兵も王様も居ない城 - ASKA_burnishstone’s diary

冒頭から命令形で始まります。

人は誰にでも浮き沈みがあります。CHAGE and ASKAとしても(売上・数字上の)ピークを超え、その中でどのような活動を続けていくか。そのスタンスのことを「エンジン」と表現したのではないでしょうか。

運命・寿命というのも、CHAGE and ASKAという組織体の話でしょう。

 

AM 9時 窓を開けて 地球の風を部屋に入れ I am GENKI 言い聞かせてみた

憲兵も王様も居ない城 - ASKA_burnishstone’s diary

恐らく、この箇所は、ASKAさんはCHAGE and ASKAの存続に関するモヤモヤから吹っ切れて、脱退の決意が固まった表れかと。

 

逃げりゃ追いかけてくる 追いかけりゃ逃げてゆく 人生ってヤツは 愛らしい

憲兵も王様も居ない城 - ASKA_burnishstone’s diary

「逃げりゃ追いかけてくる」はCHAGE and ASKAの解散を願い出ても株主総会で了承されなかった現状を、「追いかけりゃ逃げてゆく」はかつてCHAGE and ASKAとして一生懸命頑張っていたのにリリースが伸びなかった苦しい時期を歌っているのではないでしょうか。

この矛盾を「愛らしい」と表現できるのも、吹っ切れた後だからこその境地かと。

 

トランプで組み立てた お飾りのような城を出る 憲兵も王様も居ない城

憲兵も王様も居ない城 - ASKA_burnishstone’s diary

「城」とはCHAGE and ASKAという「居場所」に他ならないでしょう。

王様は…ASKAさん個人というより、ChageさんとASKAさんの二人の息があった際に生まれる力のようなものを想起しました。

また、憲兵については…私が以前、仮説の仮定を立てたように、Chageさん側に何らかの変化があったとすると、それをきっかけに憲兵(=事務所スタッフ?)もCHAGE and ASKAから離れていったのかもしれません。 

kuniaki.hatenablog.com

  

ひまわりのような笑顔って お日様だけしかわからない 土の中 支えつづけるもの

憲兵も王様も居ない城 - ASKA_burnishstone’s diary

ここも様々な読み方ができうる箇所ですが、お日様(=ファン)は、CHAGE and ASKAの笑顔ばかりを見てきただろうけど、二人は見えないところでその存続のため苦しみながら踏ん張っていたんだ、という解釈したくなってしまいます。

しかしその場合、「しか」の位置は、「お日様には、ひまわりのような笑顔しかわからない」となるはずなので、恐らくこの読み方は誤っていそうです。

 

遺書なら昔に書いてある 何枚書いても隠される 結局答えを「我慢」と言うんだろう

憲兵も王様も居ない城 - ASKA_burnishstone’s diary

この曲がリリースされた当初は、「いつ死んでもいいという覚悟で歌を歌っている。でも、まだ神様が歌えと言ってくる」というような解釈をしていたのですが、結局こちらもCHAGE and ASKAの解散、もしくはそこからの脱退をずっと訴え続けてきていた、というメッセージだったのかと。

  

1,2の3で飛び乗るか 1,2の3ハイで乗るか どうでもいい策で陽が落ちた

憲兵も王様も居ない城 - ASKA_burnishstone’s diary

面白い表現です。

恐らく、タイミングや方法等、綺麗な形でCHAGE and ASKAが抱える課題を解決しようと試みたが、それもうまくいかず徒労に終わってしまったということでしょうか。

 

重い苦しい道は うんとオシャレに歩く そしてオシャレな道は オシャレに行く

憲兵も王様も居ない城 - ASKA_burnishstone’s diary

ASKAさんは、自分が苦しい時や苦しみを乗り越えた後の生き方を「歩き」で表現する傾向にあると分析しています。

印象に残っているのは、 「僕の来た道」(「SCRAMBLE」収録)。次のようなフレーズがあります。

「たっぷりと寝た朝は元気 からだ中にフルーツがいっぱい
 昨日まで僕を苦しめていたことも消えた
 誰かが見ているならハンサムな道を歩きたい
 弱さや不甲斐なさは堂々と隠してね」

2008年〜2011年の間、過去曲の刷り直しが続いており、私は「ASKAさんはもう曲が書けなくなったのでは…」と(勝手に失礼な)心配をしていました。

その後、「SCRAMBLE」という素晴らしいアルバムがリリースされ、その心配を吹き飛ばしてくれたのですが、クライマックスのこの曲で上記の歌詞を読んだ際、「やっぱりそれまで苦しんでいらっしゃったんだな」と(勝手に失礼な)納得をしてしまったのを思い出します。

今回の「オシャレな道」も「ハンサムな道」とほぼ同じ意味で使っていらっしゃるのでしょう。

 

 

憲兵も王様も居ない城」、一節だけをピックアップして考察するつもりが、全てに私見を綴ってしまいました。

真相はASKAさんにしか分かりませんが、一仮説としてこんな解釈もお楽しみいただければと思います。

 

歌詞には、書き手にしかわからない想いが込められています。

同じ言葉なのに、一つの出来事の前と後でその見え方が随分と変わってしまう。

それもまた、音楽や歌詞を堪能できる魅力の一つですね。

 

 

20200302 DTMの悩み

昨年末に2nd EP「デモンストレイトEP」をリリースしたところですが、実は3rd EPの楽曲は既に準備が完了しており、現在は4th EPの全楽曲のミックス作業を行っています。

しかし、ここ数週間その作業が難航し中。ミックス後の音割れが発生しているのです。

 

私の主な作業環境は次のとおりです。

●パソコン:

 Macbook Air(13インチ、2017)

●ソフト:

 Garageband(録音・ミックス。最後にプラグインLoudmaxを使ってマキシマイズも行う)

 Audacity

オーディオインターフェース:

 EDIROL UA-4FX

●マイク:

 各スタジオにあるもの

 

私の基本的な音楽制作の進め方としては…

1. Garagebandで「オケ制作用ファイル」を作り、オケの元データを作成。

2. 「ボーカル録音用ファイル」を準備し、1.で作ったオケの仮ミックス版を取り込んで、ボーカルを収録。

3. ボーカル収録後の「ボーカル録音用ファイル」をコピーして「ボーカル編集用ファイル」をとし、ボーカルトラックを整える。

4. 1.のオケ各トラックと3.のボーカルトラックを書き出し、それぞれAudacityでコンプレッサーをかける。

5. Garagebandに「Mix用ファイル」を作成し、4.でコンプレッサーをかけた全トラックを取り込んで、EQやパン等を調整。終了後、Waveとして書き出し。

6. 「マキシマイズ用ファイル」を作成し、5.で書き出したWaveを取り込んでプラグインLoudmaxでマキシマイズ。こちらを再度Waveで書き出して、作業完了。

 

日頃から、この流れで曲を作っています。

今作業中の4th EPにおいてもこれまでと全く同じ手順で進めているはずなのに、音割れがしてしまうのが不思議でなりません。

もちろんボーカル収録時も、オーディオインターフェース及びGaragebandへの入力も0dbには程遠いレベルに抑えるなど、音割れには常に気をつけているつもりです。

もしくは、表示上0db未満の緑ラインでも音割れが発生する要因があるのでしょうか。

もしくは、ソフトやハードに不具合が発生しているのか…今後も「発散」のために音楽制作を行いたい私にとっては大変困る事態です。

 

どなたか、お詳しい方はいらっしゃおませんでしょうか…。

 

20200114 JAPANESE MENU

「Corkscrew」という鋭さにゾクゾクし、

「THE ROSE GOD GAVE ME」という神々しさにゾワゾワし、

「官能ブギー」という妖しさにザワザワし、

「Headache and Dub Reel Inch」という難解さにハラハラし、

「Lesson 2」という「らしさ」にワクワクし、

「SOLOIST」という潔さにドキドキし、

 

「JAPANESE MENU」というセンスにただひれ伏す

 

これらに限らず、いつも発売前のタイトルを見るだけで、想像力を掻き立てられ、鳥肌が立つ。

 

 

…何年経っても言葉の選び方一つ一つ才能を感じます。

 

清春さん、永遠のカリスマです。